平成262014)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

26−共研−2008

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

長期野外データからの個体群モデリング

フリガナ

代表者氏名

コイズミ イツロウ

小泉 逸郎

ローマ字

Koizumi Itsuro

所属機関

北海道大学

所属部局

創成研究機構

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

29千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では、生態学において重要な長期データを有効に活かすために、欠損値のある長期観測データの個体群モデリングを行った。今年度は特に、河川性サケ科魚類(オショロコマ)を用いて繁殖同調現象のモデリングを試みた。


統数研で開発されたKernel Approximate Bayesian Computation (K-ABC, or AKB)法を用いて、オショロコマの繁殖スケジュール、個体間相互作用、観察プロセスを考慮した繁殖モデルを構築し、パラメータを推定した。野外で得られた約30個体群の詳細な繁殖日データにモデルを適用したところ、複数の個体群で個体間相互作用が繁殖同調を引き起こしていることが明らかとなった。さらに、オショロコマが他個体と繁殖を同調させるために1週間程度、繁殖日をずらせることが示唆され、これは人工授精実験の結果とよく一致していた。これまで個体間相互作用による繁殖同調は社会性を持つ哺乳類や鳥類で報告されており、河川性魚類では初の報告である。また、本研究ではAKB法が行動生態学においても有用であることが示された。


本共同研究では野外で得られた長期的データを最新の方法により解析したものであり、非常に有意義なものであった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Socially induced reproductive synchrony in stream salmonid: an approximate Bayesian computation approach to quantitative field data. (to be submitted)


研究室ホームページ
http://noah.ees.hokudai.ac.jp/envmi/koizumilab/

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

島谷 健一郎

統計数理研究所