平成222010)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

22−共研−14

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

青年期双生児データの行動遺伝学的解析

フリガナ

代表者氏名

ヤマガタ シンジ

山形 伸二

ローマ字

Shinji Yamagata

所属機関

慶應義塾大学

所属部局

先導研究センター

職  名

研究員

 

 

研究目的と成果の概要

 本研究は,中高生の双生児とその両親を対象に得られたデータを行動遺伝学の手法を用いて分析する事により,青年期の教育的,社会的形質の個人差に与える環境の影響を遺伝の効果を統制したうえで評価し,また遺伝と環境の交互作用の有り方について調べることを目的とする。
調査は平成21年3月,22年3月に行われ,既にデータの取得は完了している。しかし,行動遺伝学は,通常のデータ解析と比較して高度な統計手法を用いる必要がある。
そこで申請者は,行動遺伝学データ解析を専門とする尾崎幸謙氏と共同でデータを解析する事により,単純な遺伝率の推定にとどまらず,遺伝・環境交互作用や高次積率を用いたADCEモデルの分析等を行う。
 本年度は,尾崎幸謙氏と共同したデータ分析により,中高生のパーソナリティ,学校適応感,時自尊感情について,学校の協調的,競争的風土によりその遺伝・環境の影響のあり方が異なるという遺伝・環境交互作用が見られる事が明らかになった。この成果は

山形伸二
Competition and cooperation in school and its effects on adolescents' personality and psychological adjustment: a behavioral genetic study.
日本パーソナリティ心理学会第19回大会,慶應義塾大学,10, 10-11, 2010

 において発表された。現在さらなる解析を行っており,論文化する予定である。