昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−27

専門分類

5

研究課題名

船舶の総合的制御システムの開発

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

海上を航行中の船舶はたえず外乱の影響を受け確率的な動きをしている。このような船体の運動を解析,制御するためには船体の動特性だけでなく外乱の特性までを含めて考慮する必要がある。この研究では時系列モデルにもとづく方法を適用,発展させ,船体の運動をプロペラやエンジン等を含めたより大きなシステムとして解析し,総合的な制御システムの構成をめざす。


今年度は今後の実験に備え,船舶システムの同定,制御のための実験環境の整備,解析法および制御方式の検討,それに関連した計算プログラムの開発,を行なった。
実験環境に関しては,東京商船大学が61年度に建造する新しい練習船により理想的な計測,制御実験の設備が得られることになった。
解析法に関しては,従来用いていた計算プログラムを船上でオンライン又はオフラインで実行できる様移植を行なった。また新しい試みとして,確率微分方程式で表現される操縦運動方程式モデルを推定するための方法を考案した。線形の場合については計算プログラムを作成し,従来用いられてきた離散モデルとの関連も調べた。非線形項を含む場合についても非線形フィルターを用いて最尤法により同定する方法を試みた。
制御方式に関しては,これまで用いてきた多変量ARモデルにもとづく方法の検討,非線形項の付加,および適応制御の可能性の検討などをおこなった。
また,エンジン出力関係の計測,制御が可能となるので,これらを含めた総合的操船システムの解析,制御のための準備を行なっている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

初年度 2年度以降の実験に備え,多変量時系列モデルの改良,プログラムの整備(ディスク),資料の収集(旅費),新しい制御方式の検討などを行う。
2年度 共同利用の実験船として建造される東京商船大学の練習船新汐路丸の就航後データ収集を行い,モデル構成,運動特性の解析などを行う。
3年度以降 同定したモデルを利用して総合的な制御方式を開発する。更に,実船実験を行って問題点を検討,改良するとともに新しい制御方式の可能性を検討する。
必要性 この共同研究により,よく管理された状態で観測された多変量時系列データが入手でき,新しい統計的な問題が見いだされる可能性がある。また,統計的手法の有効性を実船実験により検証する事が出来る。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大津 皓平

東京商船大学

堀篭 教夫

東京商船大学