平成302018)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

30−共研−2073

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

8

研究課題名

コリドーを伴う生息地保護区形成に対する離散最適化モデル構築

フリガナ

代表者氏名

ヨシモト アツシ

吉本 敦

ローマ字

Yoshimoto Atsushi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

108千円

研究参加者数

5 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 希少生物の生息地の保護、あるいはある種の生態系の保護と言った、保護を目的とした区域の形成には、保護の中心となる焦点のみならず、そのバッファーとなる隣接域(林分など)との連結を伴う集約により、いわゆる保護区が設置される。生物の移動を考慮すれば、移動経路となるコリドーの形成を伴う保護区になる。これまでの森林管理における集約化問題では、集約される林分群に対する許容総面積の集約制約(Opening size constraint)のみにより、最適な林分群の組み合わせが探求されてきた。そのため、焦点を軸にした集約への対応が不可能で、上記のような保護区形成を考慮した最適化モデルは皆無であった。
 本研究では、許容総面積制約による集約化に加え、保護区としてのコリドー形成を可能にする森林資源管理のための離散最適化モデルを構築した。まず、集約群の形成には、これまでに開発してきた最大フロー問題に基づく制約群と集約された林分群の隣接関係をフルに結合するための逐次三角形成(Sequential Triangle Connection)による制約群を用いた。これらの制約群により集約群候補が形成される。次に、コリドー形成については、同様に最大フロー問題を応用し、経路を形成する対象ノードへのフローが最終的に一点からのフローアウトになるように制約群を構成する。このことにより、コリドーの形成が可能になった。また、これらの制約群に森林資源管理に対する最適化定式を加え、管理の時空間的な要素と集約・コリドー形成に伴う空間的な要素を結合する制約群を生成し、全てを満足する森林資源管理に対する離散最適化モデルを構築した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

下記国際学会での発表を行った。
1. Yoshimoto, A. Land use management along with biological conservation, The Joint Conference of the Symposiums of the Sustainable Forest Ecosystem Management 2018 and the IUFRO 4.02.02
(SFEM2018/IUFRO 4.02.02)(招待講演)(国際学会)
2. Yoshimoto, A. Discrete Optimization for Resource Management along with Biological Conservation, The 3rd IMI-ISM-ZIB Modal Workshop on Challenges in Real World Data Analysis and High-Performance Optimization(国際学会)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会を開催していない。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊高 静

統計数理研究所

加茂 憲一

札幌医科大学

木島 真志

琉球大学

冨田 哲治

県立広島大学