平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−94

専門分類

8

研究課題名

描画検査法の統計的解析

フリガナ

代表者氏名

ツチヤ タカヒロ

土屋 隆裕

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

心理測定法の一つである描画検査は、言葉を媒介としないため、他の多くの心理検査では知り得ない情報を多く持つと言われている。しかし、この検査を利用するには、検査者の熟練や知識が要求され、実際には、一部の専門家しか利用することができない。そこで、描画検査の統計的性質を明らかにし、結果を解釈するための標準的な手続きを確立する。


投影法の一つである描画検査の解釈は,専門家の知識や経験に依存するところが大きい。しかし,心理検査として描画検査を用いるからには,絵を解釈・評価するための標準化された手続きを確立しなければならない。ところで,絵の解釈においては,絵から受ける直観的印象や全体的評価だけでなく,絵の大きさや筆圧など,絵がどのように描かれているか,といった情報も重要であると言われている。そこで本研究では,樹木画検査(バウム・テスト)を用いて,絵の形状的な特徴と描画者の心理的特性との関連性を分析することを試みた。
まず,大学生32名に対し,集団式のバウム・テストを一斉に実施した。さらに,質問紙性格検査であるEPPS性格検査も実施した。そして,得られた絵の形状的特徴を,別の学生3名に評価させた。
その結果,「筆圧」,「右枝・左枝の方向」,「根の大きさ」,「樹冠の形状」といった絵の形状的な特徴と,EPPS性格検査に含まれる「自律」,「養護」,「支配」,「顕示」等の特性領域との関連性が示唆された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

土屋 隆裕・渡部 洋,樹木画の形状的特徴と描画者の心理的特性について,
日本心理学会,1995年10月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

被検査者の描いた絵からは、絵全体や絵の構成要素の位置・大きさ・長さ等といった物理的な情報とともに、SD法などを用いた、その絵に対する直観的な印象評定値が得られる。さらに、被検査者の他の心理検査の結果や、絵に対する専門家の解釈・評定を調べることで、絵の持つどのような特徴が、描画者のどのような心理的特性と関連しているのかを探る。そのために、絵に対する印象や、専門家の解釈といった質的データの数量化の方法、心理検査間の関連性を調べるための統計的な手法、絵・評定者・評定項目といった3相データの解析法などが要求されるため、専門家との共同研究を行う必要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

渡部 洋

東京大学