平成292017)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

29−共研−4112

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

5

研究課題名

洪水ならびに内水氾濫に係る豪雨の同時生起に対する2次元パレート分布を用いた頻度解析

重点テーマ

リスク科学のフロンティア

フリガナ

代表者氏名

キタノ トシカズ

北野 利一

ローマ字

Kitano Toshikazu

所属機関

名古屋工業大学

所属部局

社会工学専攻

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

152千円

研究参加者数

6 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

 多次元の一般化パレートを具体的な問題に応用するために不可欠となる理論上の整備を行うとともに,具体的な問題として,いわゆる洪水に関わる上流地点の総雨量(または,日降水量)と,いわゆるゲリラ豪雨による内水氾濫の原因となる下流の都市部の時間降水量の2次元の極大降水量を例にとり,水害リスクについて検討した.共同研究者全員のメンバーが研究所に集まって,Face-to-Face で,多次元一般化パレートの水災害リスクへの応用を前提とした議論を行ない,統計理論に関する問題の共有ができたので,それ以降は,メール等で議論を深めた.特に,依存関数についての測度論によるスペクトル関数の議論や,ベイズ統計への拡張などを検討した.その成果の一部は,統計数理研究所での共同研究集会,同志社大学での研究集会ならびに水工学講演会で公表した.また,現在,海岸工学論文集に投稿中である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

北野利一・川崎将生・山地秀幸:2変量GP分布による降水量の同時生起頻度の推定法 - 数学的なアイデアと現実データの接続,土木学会論文集B1(水工学),第73巻,pp.I_319-I_324.

田中茂信:AMeDAS降水量とd4PDFを用いた面積平均降水量の極値の比較,共同研究集会「極値理論の工学への応用」,統計数理研究所,2017.07.21.

北野利一:2変量パレート分布を用いた降雨の同時頻度解析,共同研究集会「極値理論の工学への応用」,統計数理研究所,2017.07.21.

北野利一:2変量GP分布による降水量の同時生起頻度の推定法,第62回 水工学講演会,岡山大学,2018.03.07.

北野利一:2点で同時に生起する極値の外挿問題,科研費シンポジウム「空間データと災害の統計モデル(研究代表者:鎌倉稔成)」,同志社大学 今出川キャンパス,2018.01.28.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

共同研究者のみに限定した研究会を下記のとおり行なった.

2017年11月27日(月)14:00-17:00,11月28日(火) 9:30-12:00
場所:統計数理研究所,5階のセミナー室6(A508)
参加人数:5名

1)2変量パレート分布
・多変量極値の非対称性パラメータ
・順位相関との関連,多変量極値のスペクトル等
・集積リスク(応用例)の紹介

2)極値のベイズ統計(リスク研究学会での報告)

3)話題提供
田中茂信:多変量極値の土木工学への応用に向けて


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

志村 隆彰

統計数理研究所

高橋 倫也

神戸大学

田中 茂信

京都大学防災研究所