平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−34

専門分類

4

研究課題名

「日本人の国民性」の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

サカモト ヨシユキ

坂元 慶行

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

13 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1993年度に予定されている「第9次 日本人の国民性調査」のための質問を作成するとともに、「第9次 日本人の国民性調査」の結果分析を試みる。


「日本人の国民性調査」は、日本人のものの見方や考え方が、社会的な属性によってどう違うか、過去数十年の間にどう変わってきたかを、計量的方法で分析し、日本人の意識の特徴を明らかにするとともに、それを通じて、新しい統計的手法開発の契機を得ようとするものである。このため、昭和28年から5年毎に、戦後昭和期に8回の全国調査を実施し、平成5年度に第9回目の調査を行うことになった。
戦後昭和期の8回の継続調査から、たとえば、(1)政治・社会・生活などに関する意見は大きく変わったが、身近かな人間関係に関する意識はあまり変化しなかったこと、(2)戦後日本人に意識は、昭和48年(1973年)の第1次オイル・ショックを転機として、それまでの近代化の進展から一転して伝統回帰的現象が見られたこと等、重要な事実を見いだすことができた。しかし、現在は、これら、近代化、伝統回帰的現象をも超えた新たな次元の意識状況にあり、その意識動向の基軸を解明することが課題である。
そこで、将来の意識動向の把握に備えるため、過去8回の「日本人の国民性調査」をはじめとするいろいろな調査の分析やさまざまな文献の研究によって最近の社会意識状況について知識を整理した。その結果、身近かな人間関係観が日本人の意識構造の基底をなすとの認識から、この共同研究のメンバーと協力して、人間関係観に関わる質問文を中心に調査票を作成し、10月に全国調査を行った。以後、年度末までの間に、データのエディティングやコーディングを行い、マスターテープを作成し、単純集計の結果を数研研究リポートにまとめた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

数研研究リポート75 統計数理研究所国民性調査調査委員会(代表 坂元慶行)『国民性の研究 第9回全国調査』統計数理研究所 1994年3月
今年度の研究成果ではないが、この研究の最近の結果は、『第5 日本人の国民性』(出光書店、1992)が便利である。
坂元慶行、統計的日本人研究の話題から、異分野研究者交流フォーラム、1994年3月2日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

〈研究内容〉前年度にひきつづき、過去の「日本人の国民性調査」や、前年度に実施したプリ・テストの結果を分析し、今後の質問項目の検討を行なう。また、「第9次 日本人の国民性調査」のデータ獲得後はその分析を行なう。
〈共同研究の必要性〉継続的な調査研究を成功させるためには、研究の連続性を保つことが必要であると同時に、他方で、その枠組みを拡充・展開していくことが重要である。この調査研究の今後の一層の展開のためには、「日本人の国民性調査」を第1回調査から推進してきた林や西平らの参加が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

駒澤 勉

統計数理研究所

鈴木 義一郎

統計数理研究所

鈴木 達三

帝京平成大学

高木 廣文

統計数理研究所

中村 隆

統計数理研究所

西平 重喜

統計数理研究所

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

林 文

東洋英和女学院大学

水野 欽司

大学入試センター

村上 征勝

統計数理研究所

吉野 諒三

統計数理研究所