平成202008)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

20−共研−4409

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

ベイジアンモデリングによる生物群集の多種共存機構の解明

重点テーマ

フィールド生態学と統計数理

フリガナ

代表者氏名

ムラカミ マサシ

村上 正志

ローマ字

MURAKAMI Masashi

所属機関

千葉大学

所属部局

理学研究科

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

80千円

研究参加者数

3 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

自然界において多様な生物種がどのようなメカニズムによって共存しているのかを解明することは群集生態学の本質的な課題である。生物群集共存機構として、古典的な理論研究から、生物群集においてそれぞれの種は独自のニッチを占有しており、競争能力と資源獲得能力のトレードオフにより多種共存が維持されるとするトレードオフ仮説が提唱されてきた。一方で、このような古典的なニッチ理論の予測に反して、熱帯雨林などでは生態的に類似した性質をもつ極めて多様な種が生物群集を形成していることが知られるようになり、種のニッチが本質的に同等であることにより種多様性が保たれるとする中立仮説が提唱された。
 本研究では、樹木群集、鳥類群集、昆虫群集の動態を環境要因と生活史特性を含めモデリングする階層ベイズモデルの開発を進め、多種共存機構と群集動態プロセスの解明を目的として、野外で得られたデータと、理論との融合を目指した。
 現状では、本計画は、このような理論を、様々な生物群集、特に生物個体自体の移動を伴う動物群集において、必然的に生じる、サンプリングバイアスを以下にモデルに取り込むかを検討の途中である。しかし、このような、サンプリングバイアスを階層ベイズの枠組みに持ち込み、また、種間の特性の差異を、非明示的に理論に取り込むことで、理論的な枠組みを作り出すことができるという感触を得るに至っており、今後、さらに、共同研究を進めていくことで、成果をあげられるものと確信している。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

原著論文)

Murakami, M., Hirao, T. & Kasei, A. (in press) Effects of habitat configuration on host-parasitoid food web structure. Ecological Research.

Hirao, T., Murakami, M. & Kashizaki, A. (in press) Importance of the understory stratum to entomofaunal diversity in a temperate deciduous forest. Ecological Research

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

日本生態学会
2009年3月17日
岩手県・岩手県立大学
自由集会「生物群集の統一中立理論を楽しむ方法」
参加人数150人

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

島谷 健一郎

統計数理研究所

平尾 聡秀

北海道大学