平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−87

専門分類

7

研究課題名

日本人健常者における心肺運動負荷試験の時系列解析

フリガナ

代表者氏名

ムラヤマ マサヒロ

村山 正博

ローマ字

所属機関

聖マリアンナ医科大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

AT(anaerobic threshold)は,循環器領域において運動耐容能や心機能の一指標として,薬効評価や運動療法などに応用され始めている。しかし,日本人におけるATの正常値や呼気ガス分析から得られる諸データの動態に関しては報告が少ない。本研究は健常人におけるAT,peakV〓を測定し,正常値を求めることを目的とする。


(研究目的)近年、ATは循環器の分野でも心疾患の重症度評価や薬物療法の効果判定などに応用されつつある。しかしATの測定にはAT判読法など未だ多くの問題点が残されている。本研究は健常人のATの標準値を設定することを目的とした。
(研究方法)健常成人310例(男179例、女131例)を対象とした。(1)対象者全例にアンケートを施行し日常活動レベル、運動習慣、喫煙習慣を調査した。(2)心肺運動負荷試験はトレッドミル運動負荷試験と自転車エルゴメーター運動負荷試験の両者を用いた。
(結果)(1)平均年齢は男性 42.83+13.05歳、女性は 42.40+15.05歳、身長は男性 169.00+6.22cm、女性 155.29+5.45cmであった。また体重は男性66.48+8.49Kg、女性52.62+6.68Kgであった。(2)自転車エルゴメーター運動負荷試験でV-slope法によりATが決定できた例は97.6%で平均値は男性16.29+3.39ml/min/Kg 、女性15.94+2.64ml/min/Kgであった。年代別にみると男性では20歳台が最も高く50歳台まで年齢と共に低下した。トレッドミル運動負荷試験では99.1%においてATは決定でき、平均値は男性18.69+3.66ml/min/Kg、女性17.38+2.80ml/min/Kgであった。(3)自転車エルゴメーターによるpeak VO2の平均は男性29.10+6.32ml/min/Kg、女性24.84+5.50ml/min/Kgであり、トレッドミルでは男性36.28+7.54ml/min/Kg、女性31.61+5.36ml/min/Kgであり、共に年齢と共に低下する傾向を認めた。
(総括)本研究にて測定したデータは多施設で負荷装置やガス分析器の精度管理をした上での調査であり、今後の本邦における標準値として利用価値があるものと思われる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

日本循環器学会学会誌”Japanese Circulation Journal”に投稿予定


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

20〜69歳の健常人を対象とし,自転車エルゴメータとトレッドミルを用い,心肺運動負荷試験を施行し,各年代別のAT,peakV〓の正常値設定,および呼気ガス分析から得られる諸データの運動負荷時の動態を検討する。本研究は,日本循環器学会としてAT正常値を設定すること,およびデータ解析に詳細な時系列解析などを必要とするため,統計数理研究所との共同研究として申請致します。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

麻野井 英次

富山医科薬科大学

伊東 春樹

千葉社会保険病院

太田 壽城

国立健康・栄養研究所

駒澤 勉

統計数理研究所

谷口 興一

東京医科歯科大学

藤田 良範

昭和大学

山口 一郎

山形大学