平成292017)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

29−共研−4105

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

3

研究課題名

ゲノムワイド関連研究のデータを用いた遺伝的構造の推定と集団遺伝学的考察

重点テーマ

リスク科学のフロンティア

フリガナ

代表者氏名

マツイ シゲユキ

松井 茂之

ローマ字

Matsui Shigeyuki

所属機関

名古屋大学

所属部局

医学系研究科生物統計学分野

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

115千円

研究参加者数

5 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

複数のヒト複雑疾患のゲノムワイド関連研究(genome-wide association study; GWAS)のデータの階層混合モデリングにより,遺伝的構造,具体的には,全ゲノムの一塩基多型(single nucleotide polymorphism, SNP)に存在する関連SNPの割合と効果サイズの分布,を明らかにし,個々のSNP・遺伝子のリスク評価や個人の発症リスクの評価法の確立をめざす.また,推定した構造を生み出す要因を集団遺伝学的観点より考察する.

平成29年度は,GWASデータに対する一次元階層混合モデルの構築とその推定方法のシミュレーションによる評価,そして,いくつかの複雑疾患のGWASデータを用いた実際の推定(遺伝的構造の推定)を継続して行った.生体組織別に定義されたeQTL(すなわち,組織ごとに遺伝子発現調整に関わるSNP)に階層混合モデルを当てはめることにより,eQTLタイプごとの遺伝構造の差異を確認した.また,遺伝子発現量-SNPリファレンスデータ(公開データ)を利用した遺伝子ベースの関連解析を試みた.具体的には,遺伝子別に,遺伝子発現量を制御するSNP (eQTL SNP)を抽出し,発現量スコアを構成することで表現型との関連を調べた.さらに,推定した階層混合モデルに基づいて,将来の症例数の蓄積と検出される疾患関連遺伝子多型数との関係を推定し,うつ病のGWASに適用した.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Nishino J, Kochi Y, Shigemizu D, Kato M, Ikari K, Ochi H, Noma H, Matsui K, Morizono T, Boroevich K, Tsunoda T, Matsui S. Empirical Bayes estimation of semi-parametric hierarchical mixture models for unbiased characterization of polygenic disease architectures. Frontiers in Genetics. (In press).
Nishino J, Ochi H, Kochi Y, Tsunoda T, Matsui S. Sample size for successful genome-wide association study of major depressive disorder. (Submitted).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

植木 優夫

理化学研究所

西野 穣

名古屋大学大学院医学系研究科

松井 孝太

名古屋大学