昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−69

専門分類

7

研究課題名

動く調査対象集団の標本調査に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

10 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

動物個体数推定は自然保護対策の基本であり,林業,農業,その他の開発と自然環境との調和を考える上で不可欠である。すでに野兎において推定方が確立しているほかは,未開発の領域となっている。ここでは問題の多い哺乳動物(カモシカ,キツネ,クマ)について個体数推定の統計的方法を開発し,実用化を図る。


1.60年度から行ってきている長野県下伊那地方でのカモシカ生息数推定法の開発を進めた。ヘリコプターを使った足跡・本体観察データによる推定は,積雪が無かったため調査を実施することができなかった。スギ・ヒノキの食害の被害量と捕獲頭数の年々の変化のデータからの推定については,新たなデータを得ているが,行政データの信頼性について多少疑問があり,推定方法が信頼性の少ないデータに対しては効果的ではないことがわかってきた。しかし被害をもっと信頼性のある調査によって把握するならば大いに有効であり,今後,簡単でしかも確かな被害量の調査法を確立する必要が痛感された。
2.北海道においてキタキツネの一夜の行動距離のデータを集め,野兎の推定法に準じた個体数推定法の確立につとめた。キタキツネの行動を知るために,色素による行動追跡を補充するものとして,捕獲したキツネに発信機をつけて放し,方向探知機で位置を追う方法を導入することとなった。このため,同種の調査を確実に実施しているグループの調査に参加しその方法を学んだ。これによりキタキツネの行動,行動距離がいっそう明らかなものになり,さらに野兎とキタキツネの生息数の関係さらに林業との関係を探る上で確実なデータを得ることができるようになった。
3.63年度から実施されているツキノワグマの生息数推定調査(岩手県で計画中)において,これまで秋田県,新潟県で行ってきた調査法を検討して適用し,方法が確立されつつある。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

口頭発表
林知己夫,林 文:カモシカ調査その後,野兎研究会,63.10


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1.60年度から行ってきている長野県下伊那地方でのカモシカ生息数推定法の開発を進める。すなわち,ヘリコプターを使った足跡・本体観察データによる推定と,スギ・ヒノキの食害の被害量と捕獲頭数の年々の変化のデータからの推定とを突合せ,両方法を確実なものにする。あわせて,林業とカモシカの調和の問題を統計的に考察する。
2.北海道においてキタキツネの一夜の行動距離のデータを集め,野兎の推定法に準じた個定数推定法を確立する。これにより野兎とキタキツネの個体数の変化の有様をあきらかにすることができる。
3.63年度から実施されるツキノワグマの生息数推定調査(岩手県で計画中)において,これまで秋田県,新潟県で行ってきた調査法を検討して適用し,方法の確立をめざす。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

駒澤 勉

統計数理研究所

斎藤 昌宏

林業試験場

柴田 義春

森林総合研究所

菅原 聰

信州大学

高田 和彦

新潟大学

豊島 重造

新潟大学

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

樋口 輔三郎

林業科学技術振興所