平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2043

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

乱数生成法とその応用の研究

フリガナ

代表者氏名

ヤグチ ヒロタケ

谷口 礼偉

ローマ字

Yaguchi Hitotake

所属機関

三重大学

所属部局

教育学部情報教育課程

職  名

教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は,カオス性を有する1次元力学系に基づく新しいアルゴリズムによる非再帰型擬似乱数生成法とその応用の研究である。非再帰型擬似乱数生成法はk 番目の乱数を直接生成するので,最近の大規模並列型スーパーコンピューターによる乱数の分担生成に適した方法である。またそのアルゴリズムには相当の柔軟性があり,再帰型擬似乱数生成法への応用,情報セキュリティに関わるハッシュ関数への応用が可能である。
本年度は,当研究課題名による共同利用研究の最終年度として,今までの研究成果をまとめることに力点を置いた。当研究で得られた成果はおよそ以下の通りである。(1) 32ビットの非再帰型擬似乱数生成法SSI32の確立とISMLIBによる公開,(2) SSI32の乱数生成メカニズムの数理的解析,(3) 32ビットの再帰型擬似乱数生成法rSSI32の構成と乱数性の検証,(4) nnn=160,192,256,384,512,
1024,2048ビットの各ハッシュ値長を持つハッシュ関数SSInnnhashの構成と乱数性の検証,である。また,整数の冪乗を繰り返した時に現れる先頭桁の数字の分布についての解析も行った。これらの成果は,統計数理研究所共同研究リポート235として報告されている。
本研究の今後の方向性としては,(i) 再帰型擬似乱数生成法rSSI32の暗号用乱数としての適性の検討(特に計算量の観点からの解析),(ii) ハッシュ関数SSInnnhashへの悪意ある攻撃に対する耐性の解析,などが挙げられる。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[1] H. Yaguchi and I. Kubo : A new nonrecursive pseudorandom number generator based on chaos mappings. Monte Carlo Methods Appl. Vol. 14 No. 1 (2008), pp. 87-102.
[2] http://www.ism.ac.jp/computer_system/jpn/ismlib/soft.html#ssi32
[3] H. Yaguchi and S. Ueda : Construction and randomness of new hash functions derived from chaos mappings. (2009)
[4] 谷口礼偉,高嶋惠三,上田澄江:新しい非再帰型擬似乱数法とその応用.統計数理研究所共同研究リポート235. (2010)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上田澄江

統計数理研究所

高嶋 恵三

岡山理科大学