平成122000)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

12−共研−2022

専門分類

4

研究課題名

個票データの開示におけるリスクの評価と官庁統計データの公開への応用

フリガナ

代表者氏名

サイ シドウ

佐井 至道

ローマ字

Sai, Shido

所属機関

岡山商科大学

所属部局

商学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

11 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本共同利用研究は,日本において官庁統計の個票データとしての公開を目標として,その公開の際
に行うべき秘匿措置や,プライバシーの侵害の度合いの計量化に関する研究を,より一層発展させる
ことを目的としていた。本年度は統計数理研究所において2回,外部で2回の研究会を科研のグルー
プと共同で開催し,個々の研究の報告をすると共に意見交換を行った。また本共同利用研究の参加者
のうち,加納悟,竹村彰通,田村義保,佐井至道は個票データの秘密保護について総務庁統計局統計
基準部が開催した研究会に,委員,研究協力者として参加した。
 その研究結果は論文や学会において報告してきたところだが,主な成果は次の通りである。
 プライバシーの侵害の程度の基準としては母集団かつ標本一意である個体数の推定が一般的である
が,従来のポアソンガンマモデルなどと比較してピットマンモデルの当てはまりの良いことが 星野伸
明「Pitman Sampling Formula の個票開示リスク評価への応用」などの研究を通じてわかってきてお
り,そのパラメータの推定方法やモデルの性質についても研究が進められた。
 従来のモデルが母集団と標本のサイズインデックス(個票データの項目の組み合わせであるセル内
の個体数の頻度)のみを利用していたのに対して,各項目間の関係まで取り込んだ新しいタイプのモ
デルが 竹村彰通「多重分割表の加法交互作用モデリングによる母集団一意数の推定」によって提案
された。また,ノンパラメトリックな推定方法の中で有用なものはこれまで考案されていなかった
が,佐井至道「サイズインデックスの制限付き最尤推定」(本研究会における報告)によって比較的
小さな母集団であれば実用性があることが示された。大きな母集団については現在研究中である。更
に,母集団かつ標本一意以外の危険性の指標については,昨年度からの継続研究である 佐井至道「予
測個体数の期待値に基づく個票データのリスク評価」によって成果が得られたのではないかと思われ
る。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

稲葉 由之

小樽商科大学

打浪 清一

九州工業大学

大森 裕浩

東京都立大学

加納 悟

一橋大学

瀧 敦弘

広島大学

竹村 彰通

東京大学

田村 義保

統計数理研究所

福重 元嗣

神戸大学

星野 伸明

金沢大学

和合 肇

名古屋大学