平成302018)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

30−共研−2022

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

5

研究課題名

スケルトン構造体の破壊事象の時系列解析

フリガナ

代表者氏名

キタ ヒデキ

北 英紀

ローマ字

Kita Hideki

所属機関

名古屋大学

所属部局

大学院工学研究科 化学システム工学専攻

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

40千円

研究参加者数

5 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究においてこれまで明らかにされてこなかったメタポーラスセラミックスのマクロ的な破壊挙動について一定の知見を得ることができた。メタポーラスセラミックスでは緻密体セラミックスのような脆性破壊ではなく、部材全体において骨格破壊が発生する離散的破壊が起きており、クラスター破壊の累積により最終破断に至るということが明らかになった。
 その破壊挙動は緻密体セラミックスの強度設計で用いられるワイブル分布よりも、地震予測で用いられるBPT分布により高い一致性を示すことが明らかとなった。この結果から、メタポーラスセラミックスのような連通気孔を持つ高気孔率多孔体セラミックスにおいてはその強度設計を担う統計モデルとして、BPTモデルを用いることでより信頼性の高い強度設計を行うことができるということが分かった。これに付随して、一般的な緻密体セラミックスに比べて強度のばらつきが減少していることが明らかとなり、繊維複合セラミックスと同じように複数骨格の存在によって、骨格単体(緻密体セラミックス)に見られる強度のランダム性が軽減されていることがわかった。
 また、その様子はAE法、ハイスピードカメラ画像解析といった非破壊試験においても観察が可能であり、AE法においては荷重変位曲線で見られるピーク部分において多量のAEが発生しており、時系列解析を行うことでそのピーク数の推定が可能であることが示唆された。
 これらの破壊試験を通して得られたデータから見かけヤング率というものを定義し、荷重変位曲線上に見られるピークの予測モデルを構築した。その結果、観測時点で得られているピークのデータを用いることで、一定の確率で最終破壊の予測に成功した。その精度はまだ実用化レベルには達していないが、今後の最終破壊の予測モデル構築の可能性が示唆された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

中島聖人、天川絢介、山下誠司、窪田光宏、北 英紀
"離散型破壊を示すメタポーラスセラミックスのAE法を用いた破壊挙動の解析"
東海若手セラミスト懇話会 
第55回夏期セミナー 浜松 2017年6月

中島聖人、天川絢介、山下誠司、窪田光宏、北 英紀
"離散型破壊を示すメタポーラスセラミックスの破壊挙動の解析"
化学工学会 第49回秋季大会 名古屋 2017年9月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ありません。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

庄 建倉

統計数理研究所

間野 修平

統計数理研究所

山下 誠司

名古屋大学