平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−2

専門分類

1

研究課題名

外的基準を持たない多次元データに対する曲線当てはめについて

フリガナ

代表者氏名

ミズタ マサヒロ

水田 正弘

ローマ字

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院工学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

各変量が説明変量と目的変量に分けることが可能な場合には,回帰分析や多変量回帰分析法によりデータに曲線を当てはめ,データの有する構造を記述・解析することができる。しかし,外的基準を持たないデータに対する曲線当てはめについては,それほど研究がなされていない。そこで,この種のデータに対する解析法の開発を目的とする。


本共同研究では、外的基準を持たないデータに対して曲線などを当てはめることにより、データの有する構造を解析する方法の開発・評価を目的とした。特に、代数曲線を利用した手法に着目し、研究を推進した。
本年度における成果としては次の2点が上げられる。
(1) 有界な代数曲線の利用
曲線当てはめに代数曲線を利用する際の問題点として、解の安定性がある。データ点が存在する付近では、良い当てはまりをしている曲線であっても、データ点が存在しない領域では不自然な挙動をする場合がある。これは外的基準があるデータに対する当てはめの場合でも同様な現象がおこる。これに対して、利用する代数曲線に有界制約条件をつけることにより多くの場合、適切な曲線が得られることが見出された。
(2) 正確な距離の導出法
一般に代数曲線とデータ点との正確な距離を求めることは困難であるとされてきた。これに対して我々は、拡張ラグランジュ法を利用したアルゴリズムを提案してきた。本年度の研究により、この距離を求める問題を非線型連立方程式の問題に還元させた。従って、ニュートン・ラフソン法を利用することによって問題を解くことができる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

水田正弘、代数曲線による多次元データへの当てはめにおける有界性と非特異性、第63
回日本統計学会、1995年7月25日
 馬場康維、多項分布モデルによる非計量データの解析、大分統計談話会、1995年10月6日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

多変量データが有する構造には多様な非線形構造が考えられるが,本研究では,曲線や曲面の近くに分布していると仮定できる構造を有するデータを中心に扱う。特に,principalcurvesの概念に基づいた曲線の当てはめおよび,その拡張である曲面当てはめを利用して,複雑な構造を有するデータの解析法を検討する。統計数理研究所の馬場助教授は従来から角度データの解析についての研究成果があり,その基礎のもとに種々のデータ解析法の研究・開発を行ってきた。また北海道大学の水田助教授は曲面的構造を解析する方法を研究・改良している。さらに小樽商科大学の南助教授はコンピュータの専門家である。そこで本共同研究によって非線形構造を統一的に解析するための基礎理論の構築を目指すことができる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中村 永友

札幌学院大学

馬場 康維

統計数理研究所

南 弘征

小樽商科大学