平成242012)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

24−共研−5

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

7

研究課題名

株価実現ボラティリティを利用したGARCHモデルのベイズ推定

フリガナ

代表者氏名

タカイシ テツヤ

高石 哲弥

ローマ字

TAKAISHI TETSUYA

所属機関

広島経済大学

所属部局

経済学部教養教育

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

 実現ボラティリティは高頻度データを利用して計算される金融時系列の変動を表す量である。この実現ボラティリティと日次収益率の両方を組み合わせたモデルを構築することによってより精度の高い日次ボラティリティを推定することができる。そのようなモデルとして実現ボラティリティとGARCHモデルを組み合わせたモデル(実現GARCHモデル)がある。本研究では、このモデルのベイズ推定をマルコフ連鎖モンテカルロ法で実行する手法を開発した。マルコフ連鎖モンテカルロ法には様々な手法が存在するが、GARCHモデルの推定において、提案分布に多次元スチューデントt分布を利用したMetropolis-Hastings法が有効であることが知られているので、本研究ではそのMetropolis-Hastings法によって実現GARCHモデルを推定する方法を開発した。
 開発した方法の推定がうまくいっていることを確かめるために、本研究では、実現GARCHモデルから人工的に発生させた時系列に対して推定を実行した。推定の結果、人工的に時系列を発生させるときに与えたパラメータを再現することができることが分かり、推定がうまく機能していることが分かった。また、Metropolis-Hastings法によって生成したモンテカルロ時系列の自己相関は非常に小さく、実現GARCHモデルの推定法として有効性の高いことが判明した。