平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−82

専門分類

7

研究課題名

Ecological Biasと因果推論

フリガナ

代表者氏名

サトウ トシヤ

佐藤 俊哉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地域ごとにまとめられた死亡率とリスク要因(平均塩分摂取量、大気汚染濃度など)から相対リスクを推定する研究をEcological Studiesというが、この研究にはEcological Biasと呼ばれる特有のバイアスが存在することが知られている。Ecological Biasに関してその発生メカニズム、調整の方法などについての研究を行うことを目的とする。


本年度は、長崎県における骨粗しょう症の調査、因果推論のための新しい統計的方法であるG-Estimationの適用可能、大気汚染データでのEcological Biasの評価方法、について検討した。Ecological dataでの因果推論の困難さについては様々な研究があるが、新しい因果モデルであるG-Estimatoinは比較的計算が簡単で、特に生存時間解析ではCox回帰の代わとなる解析として有効なようである。
実データを用いてSASによる解析が可能であることが分かった。大気汚染データは、調査自体は個人ベースで実施されているが、大気汚染への曝露情報は地域ベースで得られているという、特殊なデータ構造をしている。このようなデータ構造でEcological Biasはどういう形で起こりうるか引き続き検討を行っている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Sato, T., Risk ratio estimation in case-cohort studies, Environmental Health Perspectives, 102, Supplement 8, 1994.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

Ecological Studiesには様々な問題があることは古くから知られていたが、なぜそのような問題−Ecological Bias−が起こるのかは最近になってやっと明らかにされてきた。本研究では、これまでこの問題に関する専門家を招いた討論や文献レビューを行ってきた。本年度はこれまでの成果を受けて実際のデータからEcological Biasの程度を見積もり、可能であればバイアス修正の方法を提案する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中井 里史

横浜国立大学

新田 裕史

国立環境研究所

本田 純久

長崎大学