平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−95

専門分類

8

研究課題名

社会階層と社会移動に関する時系列データの蓄積と解析

フリガナ

代表者氏名

ナオイ アツシ

直井 優

ローマ字

所属機関

大阪大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

これまで我々は,統計数理研究所と共同して,日本の社会階層と社会移動に関する全国調査を,1955年以来10年毎に実施してきた。こうした時系列データの解析は,戦後日本の急激な社会変動を知るために重要な課題であるが,いまだ十分に達成されたとは言い難い。そこで,本研究では4時点のデータを分析するとともに,1990年調査のプリ・テストを実施する。


これまで1955年以来,10年毎に日本社会学会のメンバーと統計数理研究所と共同して,日本の社会階層と社会移動に関する全国調査を実施し,最近では,1985年に第4回の調査が実施された。
この調査は,当初から継続調査を意図したものではなかったが,基本的な調査項目は,代々引き続けられ,今日では,貴重な時系列データとなっており,SSM調査といえば,国際的に通用するに至っている。
そこでこれらの4回にわたって実施されたSSM調査データを,一セットのデータとして蓄積し,解析することを共同して研究することとなった。実際に,この4回のSSM調査は繰り返し調査とされているが,調査項目における小さな不一致,コーディングの不一致,ワーディングの不一致,調査項目の欠如などがあり,それを統一することには,多数の問題があることがわかった。しかし,一致するところだけで蓄積データを作成しても,その変数はごく限られ,分析も限定されるところとなる。そこで,一貫して共通している部分と不一致の部分を明確に分割し,不一致の場合には,コードを詳細に付ける方法を採用した。
また解析方法においては,変量において平均と分散の異なる2つの囚集団について,従来は,それらの違いを一切考慮せず分析してきたが,平均と分散を一致させたり,1時点の平均と分散を他の時点にも,適用する方法を検討した。
もっと密度の高い共同研究とプリ・テストを含む調査を予定していたが,本部の多忙と助手・大学院生の病気・死亡などの事件のため,調査を実施することが不可能となったこと,および上京することが困難であり,共同研究者に多大なご迷惑をかけることとなったことを,おわび申し上げる。後日,この成果にたって,さらによい蓄積と解析法を考えていきたい


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

「社会階層と社会移動全国調査マスター・ファイル」(大阪大学人間科学部経験社会学・社会調査法講座,1990年予定)
「2つの異なる囚集団の比較分析のための共分散構造分析」(予定)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

すでに第1回(1955年)調査より「社会階層と社会移動全国調査委員会」は,統計数理研究所と密接な共同研究を行なってきた。「日本人の国民性調査」が日本人の主観的態度に主に焦点を置くとすれば,「社会階層と社会移動調査」は,日本の客観的側面,とくに社会−経済的地位の側面に焦点を置くものである。この意味で両調査は一対をなしているといえよう。このため統計数理研究所との共同研究はきわめて有効と考えられる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

坂元 慶行

統計数理研究所

鈴木 達三

帝京平成大学