平成272015)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

27−共研−1

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

1

研究課題名

時空間情報統合と解析のための数値的方法

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

Kitagawa Genshiro

所属機関

情報・システム研究機構

所属部局

新領域融合研究センター

職  名

新領域融合研究センター長(情報・システム研究機構 機構長)

 

 

研究目的と成果の概要

【研究目的】
ビッグデータ解析においては,様々な研究領域において様々な目的のために収集したデータを統合し,モデリングや解析を行うことが必要になる.比較的低次元の時系列データに対しては,これらの方法はある程度確立しているが,超高次元あるいは時空間の非同期データに適用可能な方法は確立されておらず,そのための方法とくに数値的方法に関する開発の見通しを得ることを研究の目的とした.

【成果の概要】
東大地震研,米国カーネギー研究所塔の研究者との共同研究により,関東地方の296か所の地点で観測された地震波時空間系列から地震の情報を効率的に取りだす方法の研究を行った.多変量局所定常ARモデルを用いて,モデル変化の時点を自動的に推定する方法を用いて,到着時刻の事後確率を計算し,さらに周辺地点の情報を事前確率として利用するベイズモデルを開発する事によって,微少な地震(マグニチュード1以上程度)の到着時刻の推定精度の改善を試みた.
 開発した方法の精度を評価するために,目視検測との比較検討を行い,その結果を報告した.計算にあたっては,スパコンを活用した.共用クラウド計算システムも一部利用したが,十分に利用するにはいたらなかった.空間情報をより本格的に活用するための,より本格的な時空間モデルについては,引き続き平成28年度に研究を継続している.


平田直,中川茂樹,高波鉄夫,酒井慎一,岩崎貴哉,北川源四郎,横井康孝,程塚保行:MeSO-netデータの自動処理(3):P波・S波見かけ速度適合法と周辺観測点事後確率を考慮した到着時点測定.2015年度地震学会秋季大会