平成22（2010）年度　一般研究２実施報告書

課題番号	22−共研−2002		分野分類			統計数理研究所内分野分類			a
						主要研究分野分類			4
研究課題名	生物進化および生態系の格子モデルと空間パターン形成
フリガナ 代表者氏名	タイナカ　ケイイチ 泰中　啓一				ローマ字		TAINAKA KEIICHI
所属機関	静岡大学
所属部局	創造科学技術大学院
職　　名	教授
配分経費	研究費	0千円		旅　費		0千円		研究参加者数		7　人

研究目的と成果（経過）の概要

研究概要は、生物進化や生態系のパターン形成の理論的研究である。モデリングとシミュレーションによって動物や植物の相互作用や進化の問題を研究する。格子模型を使ってフラクタルの解析や棲み分けパターンの形成の研究を行う。また撹乱実験をコンピュータ上で実行し、生物間相互作用を理論的に研究を行う。
とくに我々は2006年のEurophys. Lett.の論文で、新しい最適化（ＥＭＳ）理論を提唱した。従来、進化においてＥＳＳ（進化的に安定な戦略）理論が適応されてきた。ＥＳＳは、２つの個体群間でゲームをして、その勝敗によって最適戦略を求める。他方、新最適化理論は、最も存続可能な戦略である。研究期間内には、ＥＭＳを生物の進化に応用し、その有用性を示す。ＥＭＳは、ゲームに負けても生き残る戦略、すなわち「負けるが勝ち」の最適化戦略で、新しい進化の最適化理論としての確立をめざす。
成果として、共生系での存続可能な戦略がきわめて限られていることが分かった。セミとイースト菌の論文がPLOS ONEという雑誌にそれぞれアクセプトされた。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

1. Nariai Y., Hyashi S., Morita S., Umemura Y., Tainaka K., Sota T., Cooley J. R., Yoshimura J. Life Cycle Replacement by Gene Introduction under an Allee Effect in Periodical Cicadas. PLoS ONE in press.

2. Toshiyuki Hagiwara;Takashi Ushimaru;Kei-ichi Tainaka;Hironori Kurachi;Jin Yoshimura.
Apoptosis at inflection point in liquid culture of budding yeasts. PLoS ONE in press.

3.Tanaka,Y., K. Iguchi, J. Yoshimura, N. Nakagiri and K. Tainaka*. Historical effect in the territoriality of Ayu fish. J. Theor. Biol. Vol. 268 (2011), 98-104.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
○	統計数理研究所
加藤　文規	静岡大学
原田　雅史	静岡大学
比嘉　慎一郎	静岡大学
南　美穂子	慶應義塾大学
吉村　仁	静岡大学