平成202008)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

20−共研−1004

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

7

研究課題名

高頻度データを用いた多変量ボラティリティモデルの比較実証分析

フリガナ

代表者氏名

モリモト タカユキ

森本 孝之

ローマ字

Morimoto, Takayuki

所属機関

一橋大学

所属部局

大学院経済学研究科 経済統計講座 統計・ファイナンスコース

職  名

特任講師

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

・ 研究目的
本研究の目的は,近年盛んに研究が進められている高頻度データを用いた多変量ボラ
ティリティモデルの比較実証分析を行うことである.具体的には,まず高頻度収益率
データを用いた日内多変量GARCHモデル,特にここでは予測精度と取り扱いの良さ
からDynamic Conditional Correlationモデルに焦点を当てる.次に,1変量の高頻
度収益率の日内の二乗和として計算される実現ボラティリティ(Realized Volatility)
の多変量への単純な拡張として2変量間の高頻度収益率データの交差積の和として計
算される実現共分散(Realized Covariance)を用いる.本研究では,これら2つの
多変量ボラティリティモデルの比較実証分析を行う.
・ 研究成果(経過)
本年度の研究成果(経過)としては、共同研究一年目となった昨年度に行った実証分析
を行う際に必要となる統計数理研究所所有の高頻度金融データベースの整理分類に基
づき、実証分析を推進した.そして、来年度以降の研究計画が話し合われ、主に3つの研
究テーマを分析対象とすることになった.それらのテーマは、(1) 非同期観測時の複数
資産の共分散推定とリスク管理、(2) 株式投資単位の引き下げが流動性に与える影響に
ついて、(3) 値幅制限が日中価格変動に与える影響について、である.来年度以降は、こ
れらのテーマを中心に積極的に研究を進めていく予定である.また、本研究で参考とな
る先行研究の論文等の文献を入手し、各自で手分けして読み、最新の統計モデルに関し
て理解を深めた.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文発表
1. 森本 孝之(一橋大学・講師)「原油,ガソリン,灯油の 3 つの商品先物の高頻度データ
によるクロス相関分析」(程島次郎氏との共著),日本商品先物振興協会「先物取引研
究」に掲載予定.
2. 森本 孝之(一橋大学・講師)「高頻度データ系列におけるジャンプ検出の実証分析」
(増田弘毅氏との共著),日本統計学会和文誌に掲載予定.
学会発表
1. 森本 孝之(一橋大学・講師)「原油,ガソリン,灯油の 3 つの商品先物の高頻度データ
によるクロス相関分析」2008年度経済統計ワークショップ,2008年6月13日(金),
一橋大学・第2研小会議室(2階217) 東京都国立市.
2. 森本 孝之(一橋大学・講師)「原油,ガソリン,灯油の 3 つの商品先物の高頻度データ
によるクロス相関分析」平成20年度 統計数理研究所 共同研究集会・統計サマーセ
ミナー2008,2008年8月4日(月),奥河口湖 足和田ホテル 山梨県南都留郡富士
河口湖町.
3. 森本 孝之(一橋大学・講師)「原油,ガソリン,灯油の 3 つの商品先物の高頻度データ
によるクロス相関分析」2008 年度 統計関連学会連合大会,2008年9月9日(火),慶
應義塾大学・理工学部 矢上キャンパス 神奈川県横浜市港北区.
4. 森本 孝之(一橋大学・講師)「An optimal weight for realized variance based on
intermittent high-frequency data」International Conference ``High-Frequency
Data Analysis in Financial Markets",2008年10月26日(日),一橋大学・マーキ
ュリータワー 東京都国立市.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会は開催していません.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川崎 能典

統計数理研究所

笛田 薫

岡山大学

森保 洋

長崎大学