平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2057

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

2

研究課題名

人工衛星データ復元に関する組合せ最適化モデルの構築

フリガナ

代表者氏名

イケガミ アツコ

池上 敦子

ローマ字

Atsuko Ikegami

所属機関

成蹊大学

所属部局

理工学部情報科学科

職  名

准教授

配分経費

研究費

50千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

人工衛星Geotail により観測されたプラズマ粒子3次元速度分布データ(速度32ランク×円周16方向×上下7方向=3584ポイントで観測されたプラズマ粒子の個数)が『2次元ヒストグラム+10 個の統計量』に圧縮された形で地上に送信されるデータを扱う.本研究では,圧縮されたデータに対し, 組合せ最適化の手法を駆使することにより3次元ヒストグラムに復元することを目指す.
本年度は,これまでナース・スケジューリング等で提案してきた部分問題軸アプローチを利用し,短い時間で復元解を得ることを試みた.12秒に1回送られてくる個々の圧縮データに対して得られた解の精度を調べるだけでなく,連続するデータセット(40分間の約200セット)に対する結果をE-t spectrogramに表すことにより,復元された解がどの程度,本当の解に近いか,そして,現象の解析に利用できるものなのかを検討した.復元された解のセットは,E-t spectrogram上,かなり実際に近い状態を表せているものの,観測されていないポイントにプラズマが存在したかのように復元された部分も残った.
また,復元アルゴリズムでは,観測データが与える統計量と,復元された解が与える統計量の差の最小化を目的関数に設定したが,統計量が10種類存在するため,それぞれの式における差を均等に最小化することの難しさにも直面した.10種類の差にどのようなペナルティを与えて組み合わせ,どのように評価していくかが課題として残された.また,今後は,統計量を算出する10式それぞれの性質(それらがどのように解空間を狭めるか)等も調べていく予定である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

田辺亮平,池上敦子,上野玄太,土谷隆:人工衛星から送られるプラズマ速度分布データの復元,
日本経営工学会春季研究大会(発表予定)2009.5

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

土谷 隆

統計数理研究所