平成262014)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

26−共研−4104

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

7

研究課題名

中小・零細企業の財務データ・非財務データを使った信用リスクに関する統計的アプローチ

重点テーマ

ファイナンスリスクのモデリングと制御

フリガナ

代表者氏名

ミヤモト ミチコ

宮本 道子

ローマ字

Michiko Miyamoto

所属機関

秋田県立大学

所属部局

システム科学技術学部 経営システム工学科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

66千円

研究参加者数

2 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

金融機関の多くは融資決定の際、中小・零細企業の信用リスクの不透明さを払うために、企業から提供された財務情報に加えて、企業との関係を通じて得た情報や、様々な信用調査会社が提供する企業情報を参考にしている。
本研究では、中小・零細企業向け小口融資に対する信用リスク計測に必要な指標を、財務情報に加えて、企業の独自情報を使って推測し検討することを目的とする。
本年度は、研究者が独自に得た地方銀行の融資データを使って分析を行った。非財務データ(企業データ)はカテゴリカルデータであったため、多項ロジットモデルを用いた。その結果、財務情報では売上高比率、不良債権比率、経常収支率、インタレストカバレッジレシオは正で有意であった。一方、売上高(対数) 、 EBITDA 、 ROA 、レバレッジ比率、預貸率、 ROE 、借入回転率 、純資産負債比率は負で有意であった。個人事業主では、売上高、ROE、インタレスト・カバレッジ・レシオは正であったが有意ではなかった。非財務データでは、銀行借入回数が中小企業では、正で有意となった。住宅ローンの借入数は中小企業では負で有意となったが個人事業主では正となった。学歴では中小企業の場合、大卒、高卒は正で有意となり、個人事業主は大学中退、職業学校卒が正で有意となった。その他不動産所有、銀行での焦げ付き回数等、信用リスクの推定に有用であることが分かった。
その後、CRD中小企業を使った分析を続けている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Miyamoto, M., Credit Risk Assessment for a Small Bank by Using a Multinomial Logistic Regression Model, International Journal of Finance and Accounting, Volume 3, Number 5 (2014)(査読付)DOI: 10.5923/j.ijfa.20140305.07.

Miyamoto, M., Credit Risk Assessment for a Small Bank by Using a Multinomial Logistic Regression Model,Annual Symposium on Management and Social Sciences,
Proceedings, pp.88-94.(2014.8)

安藤雅和、宮本道子、逸見昌之、山下智志、高橋淳一 「欠測値を含む中小企業大規模財務・非財務データを用いた信用リスク評価」2014年度 統計関連学会連合大会 (2014.9)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関