平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−34

専門分類

3

研究課題名

船体運動の時系列解析

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

外洋を航行中の船体は多くの変数が互いに関連し、しかも風波の影響を強く受けて複雑に変動している。今回の共同研究では時系列解析法、とくに非定常時系列モデルを利用して、船体運動の安定性を解析するための方法を開発することを目標とする。


以下の二つの課題を中心に研究を行った。
1. ベイズモデルによる方向スペクトルの推定法
海洋を航行中の船体運動の観測系列から波の方向などを推定する問題を昨年に引き続き考えた。とくに、船体の動特性と船体の動揺データから波の方向スペクトルを推定するためのベイズモデルの開発を行った。実船データに適用した結果、ベイズモデルの利用により従来の擬似最尤法と比較してよりよい結果が得られることが判った。
船体応答がほとんどない周波数での精度低下を防ぐ方法も考慮した。
2. 時変スペクトルを用いて、時間と共に変化する船体運動の安定性の指標を推定する方法を検討した。さらに、船体の運動方程式モデルの安定性に関連する係数が時間変化するモデルを考え、そのモデルを直接推定する方法の開発を試みた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

K.Ohtsu and T.Iseki, Statistical Analysis of Ship Motions under Sea Waves and its Control, Bulletin of the International Statistical Institute, 51st Session,Book2, 137-140. 1997年8月
T.Iseki, Estimation of Directional Wave Spectrum Using Ship Motion Data, in Practice of Time Series Analysis, eds. H.Akaike and G.Kitagawa, Springer Verlag,115-130, to appear in 1998.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

今回の共同研究では以下の二つの課題を中心に研究を行う予定である。1。ベイズモデルによる方向スペクトルの推定法 海洋を航行中の船体運動の観測系列から波の方向などを推定する問題を昨年に引き続き考える。とくに、船体の動特性と船体の動揺データから波の方向スペクトルを推定するためのベイズモデルの開発を試みる。2。時変スペクトルを用いて、時間と共に変化する船体運動の安定性の指標を推定する方法を開発する。さらに、船体の運動方程式モデルの安定性に関連する係数が時間変化するモデルを考え、そのモデルを直接推定する方法の開発を試みる。この研究の実現には、統計数理研究所側の時系列解析法と東京商船大学側の船体運動に関する知識データ・問題意識が必要であり、したがって、共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

井関 俊夫

東京商船大学

大津 皓平

東京商船大学