昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−24

専門分類

5

研究課題名

セル・オートマトンの統計的性質

フリガナ

代表者氏名

タムラ ヨシヤス

田村 義保

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計計算開発センター

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

自由度の多い系の示す複雑さについては,広義の乱流現象や神経ネットワークとも関連があり,近年精力的に研究されはじめた。その中でも,セル・オートマトンやこれを拡張したいくつかのモデルは,上記の現象を記述する単純なモデルとして重要である。これらの系は決定論的であるが,確率的にみえる振舞を示し,その統計的性質を調べることは重要である。自由度の低い系では上のような事は“カオス”としてよく調べられているが自由度の多い系では本質的に違うことが多く,諸量の分布則,スペクトル(ある場合には〓スペクトル的になる)の計算を通してそのメカニズムを明らかにしたい。


共同研究実施状況
セル・オートマトンを用いたモデルで種々の現象(乱流,伝染病の流行,神経ネットワーク)の理解を深めるための研究を行ってきた。共同研究の成果の一部を発表するために,共同研究者以外のものも含めた研究会を実施した。
(講演者数18名,参加者約100名)
研究成果
はしか等の伝染病のモデルとして“病気状態”,“免疫状態”,“未感染状態”の3状態をもったストカスティックなセル・オートマトンを2次元格子上で調べた。その結果,はしか等にみられるような周期的な大流行のようすがみられた。特に,その流行の周期,あるいは病気が全く消えてしまうまでの時間が系のサイズ,パラメータに対してどのように変るかを調べた。
セル・オートマトン,結合格子差分系を用いて乱流状態の記述をおこなうことを試みた。特に,ある種のセル・オートマトンでエルゴード性が成立するかを部分系を用いて調べた。また,結合格子差分系での乱流を各種のパタンの生成,消滅,パタン間の遷移として表し,定量化することができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

自由度の多い系の示す複雑さについては,広義の乱流現象や神経ネットワークとも関連があり,近年精力的に研究されはじめた。その中でも,セル・オートマトンやこれを拡張したいくつかのモデルは,上記の現象を記述する単純なモデルとして重要である。これらの系は決定論的であるが,確率的にみえる振舞を示し,その統計的性質を調べることは重要である。自由度の低い系では上のような事は“カオス”としてよく調べられているが自由度の多い系では本質的に違うことが多く,諸量の分布則,スペクトル(ある場合には〓スペクトル的になる)の計算を通してそのメカニズムを明らかにしたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

相沢 洋二

早稲田大学

伊庭 幸人

統計数理研究所

金子 邦彦

東京大学

篠本 滋

京都大学

武末 真二

学習院大学

西川 郁子

京都大学大学院