平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−76

専門分類

8

研究課題名

犯罪・非行者率データのコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

人間の発達と犯罪との関連を明らかにするためには,世代(コウホート)の視点を取り込むことが不可欠である。本研究は,警視庁の犯罪統計データに対してベイズ型コウホートモデルを適用することによって,犯罪率・非行者率に関する種々の仮説を検証し,わが国における犯罪・非行の過去の実態と将来の動向を明らかにすることを目的とする。


本研究の目的は、警視庁の犯罪統計データに対してベイズ型コウホートモデルを適用することによって、犯罪率・非行者率に関する種々の仮説を検証し、わが国における犯罪・非行の過去の実態と将来の動向を明らかにすることである。人間の発達と犯罪との関係を明らかにすることは、古くから関心が寄せられてきた課題であり、人間の発達に関係するこのような研究では、世代(コウホート)の視点を取り込むことが不可欠である。
本年度は、共同研究の第3年目にあたり、これまでに整備された犯罪統計データベースより分析対象のコウホート表を作成し、これらに対して種々のコウホートモデルの適用を進めた。
研究実施状況は、以下のとおりである。
(1)[研究会の開催]共同研究者による研究会を1回開催した。研究会では、分析対象データの検討、分析モデルの拡張などについて議論した。
(2)[分析データの検討]本共同研究では、これまでに警視庁の犯罪統計データと総務庁の人口動態統計データをもとに犯罪率・非行者率のデータベースを構築している。このデータベースを用いて・コウホート分析の分析対象となるコウホート表データを、男女別、殺人、強盗、放火、強姦、暴行、傷害、脅迫、窃盗、詐欺、横領の各犯罪種別について作成した。
(3)[分析モデルの検討]通常の年齢・時代・コウホート効果の3効果モデルの他に、年齢×時代の交互作用項をもつコウホートモデルを適用した。
(4)[犯罪仮説の検討]犯罪に関する犯罪世代仮説とコウホートサイズ仮説のいずれかが妥当かを、コウホート分析結果によって検討した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

[研究内容]昨年度までに構築した犯罪者・非行者率データベースより,罪名別・性別のコウホート表(年齢×時代表)を作成し,ベイズ型コウホートモデルを適用する。その分析結果に基づき,犯罪・非行に関する諸仮説を検証する。分析結果を資料集として刊行する。
[共同研究の必要性]法務省関係の諸機関には本分野に関する豊富なデータの蓄積と分析の経験があるが,継続調査データの分析法であるコウホート分析については統数研で開発されたベイズ型コウホートモデルを適用する必要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

市川 守

東京矯正管区

上田 郁子

東京少年鑑別所

鎌倉 稔成

中央大学

内藤 ゆか

横浜少年鑑別所

那須 郁夫

日本大学

原田 豊

警察庁

吉田 智子

千葉少年鑑別所

吉村 雅世

東京保護観察所