昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−56

専門分類

7

研究課題名

多次元解析の理論と適用に関する研究

フリガナ

代表者氏名

コマザワ ツトム

駒澤 勉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

名誉教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

10 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

各種調査・計測データを用いて,現象を予測や分類の問題として捉えたときに有効な多次元解析の諸方法論,および探索的データ解析法の開発を行うと共に,応用利用が必要な適用分野での実証的研究を行なう。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本研究は,数量化理論第III類(パターン分類)において,質的データに順序構造が存在するとき,解の数量の散布図が多次元空間上にどのように配置されるか,その性質を解析幾何学的に検討した。
2.The Method of Pattern Classification and its Application to Prognosis of Disease,KOMAZAWA.T,Proceedings of the Japanese−French Scientific Seminar.1987.3,PP337〜345
性質の検討結果は強い順序構造を持つデータに対して一次元尺度の数量を与えることが可能であることがわかった。この結果を医学データ解析に応用して,実証分析を試み,よい結果を得た。
これら解析法の一部は62年3月の日仏科学セミナー(統数研にて)で発表した。
〔1〕健康の予後評価への応用事例。
健康人に対しての健康検診による予後評価へ適用した。予知検査項目としては動脈硬化性疾患の予知のために重要と思われる4つの項目(血圧,心電図,眼底カメラ所見,大動脈脈波速度値)が中心である。約18,000例での解析結果は,各項目・区分に対して,臨床的にも最適な数量化が出来た。また,被受診者に対しての予後評価得点も,事後の発症追跡調査結果から見ても,加齢老化タイプ,本態性高血圧タイプ,脳疾患タイプ,心疾患タイプなどの分類ができ,健康管理における計量的評価・深度化を可能とした。
〔2〕外科学への応用事例。
直腸癌における肛門括約筋温存術式後の排便機能評価へ適用した。その結果,従来の主観的clinical scoreに対して客観的clinical scoreが得られた。また,各探索項目についても,便意,貯留能,括約能などの順に排便機能と関与することがわかり,より計量的臨床評価が可能であることを示唆しええた。
今後,教育心理学,農学の分野にも,応用して,方法論の展開を図る予定である。
1.直腸肝門内圧測定と臨床評価の数量化理論による統計学的検討,渡辺聖,日本大腸肛門病学会雑誌,第39巻,第7号,昭和61年11月,PP858〜870


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

各種調査・計測データを用いて,現象を予測や分類の問題として捉えたときに有効な多次元解析の諸方法論,および探索的データ解析法の開発を行うと共に,応用利用が必要な適用分野での実証的研究を行なう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

金子 劭榮

金沢大学

亀谷 寿彦

東邦大学

川合 伸幸

  

高田 浩江

(財)日本労働文化協会

檀原 宏

信州大学

徳弘 圭一

東邦大学

馬場 康維

統計数理研究所

林 文

東洋英和女学院大学

渡邊 聖

東邦大学