平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−91

専門分類

8

研究課題名

成人の学習行動とその規定要因分析

フリガナ

代表者氏名

カネフジ フユコ

金藤 ふゆ子

ローマ字

所属機関

常磐大学

所属部局

人間科学部

職  名

講師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、わが国の成人の学習行動の特徴を明らかにするとともに、学習行動とその規定要因との関係を統計的手法を用いて実証的に解明することを目的としている。


本研究は、わが国の成人の学習行動に関する調査より学習行動の特徴及びその規定要因を多変量解析等の手法を用いて解明することを目的としている。昨年度に引き続き、本年度は以下のような研究を行った。
1 総務庁が行った「社会生活基本調査」(指定統計第114号)の昭和51年、61年調査により収集された約40万人の個別データを基に、特に未婚女性の学習行動とその他の生活行動(具体的には、趣味・娯楽行動、旅行・行楽行動、スポーツ行動)について数量化第3類等を用いた分析を行った。その結果、趣味・娯楽行動、旅行・行楽行動、スポーツ行動は、在住する都市の人口規模が拡大し、女性の学歴が高学歴化するほどそれらを行う傾向が認められたが、学習行動は他の生活行動と異なり一概に人口規模の拡大や高学歴化の進展に伴って学習行動も行われると言えないことが明らかとなった。また、昭和51年度の調査結果より、未婚女性の趣味・娯楽行動のデータ構造に順序構造があることが明らかとなった。
2 東京都立教育研究所が平成4年度に実施した「生涯学習関連施設のカリキュラム編成に関する基礎的研究」の調査で収集された都内の205の生涯学習関連施設の提供した917例のカリキュラムの分析を行った。その結果、学習活動展開前のカリキュラム編成(具体的には学習需要調査等の準備的作業、学習目標の設定、ペーパープランとしての学習プログラムの作成等)を行うカリキュラムは、それらを行わずに提供されるカリキュラムに比べ、学習者の応募率や修了率が高いことが明らかとなった。また学習活動展開前のカリキュラム編成を行う施設は、人的・財政的条件もある程度整備されていることが明らかとなった。
3 茨城県内の公立・私立高等学校全校(148校)を対象に、平成5年度に地域一般を対象に実施した高等学校開放講座について調査を実施した。現在、収集された調査票よりデータ入力の作業中。
4 東京都内の幼稚園に通園する幼児の両親を対象として「親のしつけと学習に関する調査」を実施するために約150サンプルで予備調査を実施した。予備調査の結果より、来年度の本調査における調査項目の選定等を検討した。
5 関東7都県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県)に常住する20〜59歳の有配偶世帯1000世帯を対象とした「21世紀の国民生活像に関する調査」のデータを基に、親の学歴・世帯特性と子どもの教育との関連を数量化第2類等を用いて分析を行った。その結果、子どもの塾通いやお稽古事は大都市の高所得者層に多く、また親の学歴が小学校通学児童の塾通いやお稽古事に関連していること等が明らかとなった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

和田ふゆ子他「ストック化社会と世代間のつながり」(財)家計経済研究所編『21世紀の国民の生活像を求めて』
大蔵省印刷局,1993年8月
和田ふゆ子「未婚女性の生活行動の分析」(財)家計経済研究所編『人口移動と消費』,家計経済研究所,1994年3月
和田ふゆ子「生涯学習関連施設のカリキュラム編成の特徴」第14回日本生涯教育学会,1993年11月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究は、「社会生活基本調査」(指定統計第114号)の昭和51年・昭和56年・昭和61年のデータを基に、わが国の成人の学習行動の特徴を明らかにし、さらにその学習行動と規定要因との関係を統計的手法を用いて解明しようとするものである。
具体的には、3回の調査によって収集された約30万世帯、及びその世帯に常住する約60万人のデータを解析する。
質的なデータを含む非計量データの多次元解析を数多く手掛けられてきた当研究所との共同研究によって、成人の学習行動と規定要因との関係をより構造的かつ詳細に分析することが可能になると考えられる。またその分析にあたっては、当研究所の高速計算用電子計算機の使用が多大な支援になると思われる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

駒澤 勉

統計数理研究所

中村 隆

統計数理研究所