平成182006)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

18−共研−2040

専門分類

7

研究課題名

我が国の血圧帯別人口の動向把握と将来推計

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

NAKAMURA, Takashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

40千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、我が国における血圧帯別人口の動向把握とその将来推計を行うことを目的とする。特に高血圧帯人口、すなわち、高血圧疾患の動向把握が中心となる。高血圧は、生活習慣病の内、脳血管疾患、心疾患の主要原因であり、脳血管疾患による寝たきり問題、増大する医療費問題など社会的影響の大きい問題を引き起こし、対策が急がれる。血圧のデータとしては、厚生労働省の国民栄養調査による1971年以降のものがあり、平成17年度は血圧帯別割合データをもとにコウホート分析(Age-Period-Cohort分析)を行い、年齢効果、時代効果、世代効果の分離を行った。
本年度は、血圧帯別割合データのコウホート分析から得られた年齢・時代・世代効果をもとに、社会的変遷(血圧定義、新薬の開発、医療制度等の変遷)との比較により、年齢効果、世代差と、降圧剤の使用等による時代的変化などとの関連性を検討した。さらに血圧帯間の推移を考慮した血圧帯別人口の将来推計を試みた。
検討の結果、男性・女性ともブランド世代(1955年生まれ)、バブル世代(1965年生まれ)のコウホートで見ると、すべて高血圧発症の割合が相対的に高い世代であった。また販売開始時期と時代効果が、ステップ状に降下する時期が一致する傾向があった。
血圧帯別人口の将来推計については、シミュレーション開始年を2000年として2050年までの血圧別人口の将来予測を行った。その結果、正常血圧区分人数は2010年でピークを向かえその後減少し、軽症高血圧人数では2020年にピークを向かえその後僅かに減少、高血圧人数については2030年でピークを迎え、その後僅かに減少という結果になった。ただし血圧区分別割合で見た場合には、軽症高血圧、中等症以上高血圧割合が2050年まで増加傾向にあるという結果となり、日本全体における高血圧人数は人口減少とともに減少傾向に向かう一方、割合としては2050年まで増加の一途をたどる結果となった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

村田加奈子, 中村隆, 大野ゆう子 (2004). システムダイナミクスモデルにおける推移確率行列の最尤推定法の開発に関する研究−高血圧人口動態モデルの構築を例に−, 第24回医療情報学連合大会プログラム・抄録集, 1178-1179. (第24回医療情報学連合大会, 名古屋市:名古屋国際会議場, 2004/11/26-11/28)

村田加奈子, 大野ゆう子, 中村隆, 長谷川敏彦, 松本邦愛, 石原明子 (2001). 高血圧のAge-Period-Cohort分析と保健医療情報との比較検討, 第60回日本公衆衛生学会総会抄録集, 222. (日本公衆衛生学会総会, 高松市:香川県県民ホール, 2003/10/31-11/2)

大野ゆう子, 中村隆, 長谷川敏彦, 村田加奈子, 杉山裕美, 笠原聡子 (2000). 国民栄養調査に基づく日本人高血圧割合のAge-Period-Cohort分析, 第20回医療情報学連合大会プログラム・抄録集, 636-637. (第20回医療情報学連合大会, 浜松市:アクトシティ浜松, 2000/11/23-25)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催はありませんでした。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大野 ゆう子

大阪大学

村田 加奈子

首都大学東京