平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−3

専門分類

1

研究課題名

変動効果を伴うワイブルハザードモデルによる統計解析

フリガナ

代表者氏名

オオタキ メグ

大瀧 慈

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

原爆放射能医学研究所

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

個体間変動を伴うパラメトリックハザードモデルとして、平均ハザードがワイブル分布で、また個体間変動がガンマ分布により表現されるものについて、モデルの統計的特性やおよび生存期間データへの適用に基づく母数の推測について研究を行う。本研究では、理論的研究だけでなくコンピュータアルゴリズムやソフトの開発をも研究の目的とする。


1.離散型多変量生存期間データに対してワイブル・ガンマモデルを導入し、個体ごとに変動する危険度に対応した解析を行った. 広島大学および徳島大学歯学部で収集された歯牙喪失に関するデータを用いて、センサリングを考慮した歯牙喪失の年齢依存性および歯牙の部位間の相関構造を推定した. また、構築したモデルの適切さとデータへの適合性についての検討を行った。
また、広島大学歯学部で扱った舌ガン患者の放射線治療後の生存期間データに対してワイブル・ガンマモデルによる生存期間解析を行い、コックスの比例ハザードモデルによるものと比較検討した。その結果、個人変動が大きいデータでは、予後因子の効果の推定(係数および有意性性)がコックスの比例ハザードモデルと異なることを確認した.
2.多変量関数の最大値探索に関するコンピュータアルゴリズムとして導関数を使用しないもので解の収束性に優れたもの(SPIDER)を開発した。その最適化アルゴリズムを用いて、複数の共変量を伴う生存期間データを対象にしたワイブル・ガンマモデルに基づく多重回帰分析のためのプログラム (MS-Windows 上で動作可能) 開発を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.大谷 敬子,佐藤 健一,大瀧 慈:2変量ワイブル・ガンマモデルによる永久歯の喪失に関
する危険度解析。日本計量生物学会・応用統計学会1998年度合同年次大会,東京,1998年5
月12日
2.大瀧 慈,和泉志津恵:An extended golden algorithm for optimization of multivariate function.
シンポジューム「複雑非線形現象の統計理論の開発と応用: ランダム変動を伴う非線形デー
タ構造の探索および解析研究会」,広島,1999年1月8日。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1)ワイブル分布とガンマ分布の複合分布(以下、ワイブル-ガンマ分布)の定式化を行い、その統計的特性を研究する。 2)ワイブル-ガンマ分布の適用による生存期間データの解析法の開発を行う。 3)上記の方法に基づいたデータ解析を実行するための効率の良いコンピュータアルゴリズムやソフトウェアを開発する。基礎理論やアルゴリズムに対して、統計数理研究所の物理乱数発生装置を使用したシミュレーションにより、有効性を検討・評価する。4)各種生存期間データに対して、上記の方法に基づく統計解析を行い、その有効性に対する実証的研究を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大谷 敬子

広島大学

金藤 浩司

統計数理研究所

佐藤 健一

広島大学

佐藤 学

広島大学

橋本 哲男

統計数理研究所