昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−23

専門分類

3

研究課題名

ダイナミカル・システムの統計分析と計量経済分析

フリガナ

代表者氏名

クニトモ ナオト

国友 直人

ローマ字

所属機関

東京大学

所属部局

経済学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

ダイナミカル・システムの統計的分析を経済現象の分析に応用するのが本研究の最終的な目的である。その際特に工学的現象象に見られない経済現象の特質を十分にふまえた上で計量分析を考える必要があり,その意味でダイナミカル・システムの専門家と経済学専門家との意見交換を行うことが重要と見られる。


この協同研究は統計的時系列分析の専門家である尾崎統氏が研究している非線型時系列モデルの経済データ分析への適用可能性をさらなる目的で行なわた。研究はまず研究会において尾崎氏が非線型時系列分析についての基本的事項を整理して講義する形で行なわれた。内容は離散時系列,連続時系列,マルコフ過程,非線型時系列モデルなどであった。次に計量経済学及び経済学を専攻する国友直人及び浅子和美氏が経済学における時系列モデルと時系列分析の必要性について報告した。特に国友は経済学における“予想”の取り扱いについて時系列モデルを用いて説明した。
最後に参加者が経済データの分析について生じる種々の問題を討論した。特に国民所得をはじめとするマクロ経済データの分析上の問題とある市場において観察される価格と数量と云ったをミクロ経済データの分析上の問題を討論した。
以上の共同研究を通じて日頃互いに必らずしも十分に理解していなかった非線型時系列モデルの経済データ分析への適用上の問題を明らかにしたと考えている。この意味で共同研究は大変有益であったと云えよう。今後の発展がさらに期待されよう。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.予相と時系列(1),(2),1989.6〜10経済学論集,(国友直人)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ダイナミカル・システムについては従来計量経済分析ではほとんど無視されていたが近年非線型モデルや期待を含んだモデルに関連して経済学研究者の間で関心が高まってきつつある。この研究計画でははじめにダイナミカルシステムの専門家である尾崎氏に連続論義をしてもらい,つづいて経済学への応用可能性について種々の問題を参加者のディスカッションを通じて考えてゆく。現在経済学研究者の間で必らずしも理解されている分析方法について専門家から説明を受ける一方,この分野の専門家にとっては新しい応用可能性が考えられよう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

浅子 和美

横浜国立大学

岩城 克明

亜細亜大学

尾崎 統

統計数理研究所

加納 悟

横浜国立大学

竹内 惠行

大阪大学

西村 清彦

東京大学

山本 拓

一橋大学