平成192007)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

19−共研−14

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

5

研究課題名

自己組織化型状態空間モデルによる船体動揺パラメータの統計的推定

フリガナ

代表者氏名

テラダ ダイスケ

寺田 大介

ローマ字

TERADA DAISUKE

所属機関

広島商船高等専門学校

所属部局

商船学科

職  名

助教

 

 

研究目的と成果の概要

研究目的
本研究は、海洋波中を航行する船舶の動揺の時系列データに基づいて、当該船舶の減衰力係数ならびに復原力係数(以後、「動揺パラメータ」と呼ぶ。)を統計的に推定することを目的としている。
先ず、船舶の線形横揺れ運動方程式を連続型自己回帰(Continuous Auto Regressive: CAR)モデルに変換する。次いで、同モデルを離散化して状態空間モデルで表現し、状態とパラメータを同時に推定するために、状態空間モデルを自己組織化型状態空間モデルに拡張する。このモデルは非線形となるため、推定計算には非線形・非ガウス型時系列のフィルタリングに有効なモンテカルロ・フィルタを用いる。CARモデルのパラメータの推定値が得られれば、これを変換することによって動揺パラメータは決定される。

成果の概要
 提案する方法の有効性はシミュレーション数値実験および実船実験によって検証した。
一自由度運動方程式に基づくシミュレーション数値実験では、モンテカルロ・フィルタを用いて推定した値と真値はよく一致することが確認され、本手法の有効性が示された。
実船実験は、東京海洋大学付属練習船「汐路丸」を利用して実施した。得られた時系列データにモデルを当てはめた結果、過去に実施された模型船実験の結果と本推定法で求めた結果は概略一致し、本推定法の有効性が確認された。