平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2011

専門分類

1

研究課題名

混穫されたイルカ数への拡張Zero-Inflated Poisson 回帰モデルの適用

フリガナ

代表者氏名

ミナミ ミホコ

南 美穂子

ローマ字

Minami Mihoko              

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

混獲されたイルカ(bycatch dolphins)とは、マグロ漁の際に意図せずして捕獲されたイル
カのことである。本研究では、イルカの他に大型のサメの混獲数の解析も行う。
 東部太平洋沿岸において、イルカの群れはマグロの群れと深度は異なるが同じ海域に生
息することが多く、マグロ漁の際の混獲が国際的な問題となっている。そのため現在は各マ
グロ漁船にIATTCから監視員が派遣され混穫されたイルカ数を観測している。各マグロ漁船
の年間累積イルカ混獲数には制限がありそれに達すると、以降、その漁船はマグロ漁が禁止
される。
 本研究は、IATTCのCleridy Lennert-Cody博士の要請に基づき、混獲されるイルカ数、
およびサメの数が何に影響されるのかを解析することが目的である。
 混獲されるイルカ数やサメ数の分布の大きな特徴は、0の観測数が多いことである。
 マグロの群れとイルカ(サメ)の群れが同じ海域に生息していなければ、混獲はされない。
もし、同じ海域に生息しているとすると、混獲されるイルカ(サメ)数は何らかの確率分布
に従うと考えられる。このような特徴のデータに対して考えられるモデルとして、
Zero-Inflated Poisson(ZIP)回帰モデルがある。このモデルは、0の値だけを取るデルタ
分布とPoisson回帰モデルに従う分布の混合を考えるものであり、どちらの分布に属してい
るのかを表す変量の値が、一部は既知(正の値を取った場合は、Poisson回帰モデルに従う)、
一部は未知(0の場合は、どちらかわからない)という特徴がある。本研究では、イルカ(サ
メ)の群れとマグロの群れが同じ海域にいたかどうか、又、同じ海域にいたときの混獲イルカ
(サメ)数に対して、緯度、経度、温度、マグロ量、漁船、観測者などの共変量がどのように
影響しているのかを解析する。
 混獲されたイルカ数に関しては、IATTCのCleridy Lennert-Cody博士、Hal,M.A.博士
との共著論文が鯨類研究の学術雑誌に採択された。
 サメ数に関しては、ZIP回帰モデルにおいて、線形ではなく、緯度、経度に関しては2次
元平滑化スプライン、その他は1次元平滑化スプラインを用いた拡張モデルを用いた拡張モデルを用いるつもり
である。多次元平滑化スプラインはサンプル数の3乗のオーダーの計算量が必要という欠点
があるが、それを補うためにWood(2003)によるthin-plate regression splinesを用いる。
 EMアルゴリズムを用いた計算プログラムを作成し、現在は解析を進めている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[1]Cleridy E.Lennert-Cody,Mihoko Minami and Martin A.Hall(2004)Incidental Mortality of
Dolphins in the Eastern Pacific Ocean Purse-seine Fishery:Correlates and their Spatial
Association,The Journal of Cetacean Research and Management,.to appear.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

金澤 光代

福井大学