平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−55

専門分類

7

研究課題名

競合死因に基づく寿命短縮構造の解析

フリガナ

代表者氏名

ノダ カズオ

野田 一雄

ローマ字

所属機関

明星大学

所属部局

理工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

死亡ないし寿命短縮の原因が複数個あってそれらの影響が競合する場合,着目する原因による寿命(短縮)の確率分布を,他の原因の影響が加わった見かけ上の推定を排除するために,着目する原因が単独に作用し競合する原因が除かれたモデルを設定して推測することを考える。したがって,直接に観ることのできないimplicitな生存曲線を想定し,この推定を中心として,競合死因に基づく動物の死亡ないし寿命短縮の構造を実験データの解析を通じて明らかにすることを目的とする。


本年度は、放射線被爆マウスの終生飼育データならびに非照射マウスの終生飼育データ(対照群)について、Cox型回帰すなわち比例ハザードモデルを適用する解析を継続した。
放射線によっていずれのマウスも複数個のがんを発生し、これらが死因として寿命短縮に競合する影響を与える。したがって着目する死因による寿命短縮を考える場合、この死因による死亡個数から直接累積分布関数を作り生存曲線を推定しても、みかけ上のものが得られる。本研究では、着目するがんの影響によるマウスの寿命短縮を、他のがんが影響しないと想定したもとで得られるimplicitな生存曲線の推定によって、推測することを実現している。
Underlying distributionの族としてWeibul分布族を用いた競合危険モデルによる有意差検定と、今回の非照射、照射の群別および部位別照射の群別をダミー変数とする共変量を用いた比例ハザードモデルによる有意差検定との感度の比較を中心として、両モデルによる推測の特徴を調べた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文発表を準備中


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本年度には,放射線(×線)被曝マウスの処理群および非照射マウスの対照群の終生飼育実験によって死亡時期を観測したデータについて,照射の部位別,被曝量別および群別を補助変数として,比例ハガードモデルの適用を考える。この場合,「研究目的」に述べた死因は種々のがん発生となるが,これらが競合して寿命短縮に影響を与えるために,競合死因が除かれた比例ハザードモデルの設定を考える。implicitな生存挙癖院を与えるunderlyingは,これまでの研究に基づいて,ワイブル分布族を用いる。
かくして,新しい方法の適用によって寿命短縮の構造を調べるとともに,これまでの研究で得られたものとの比較を行う。各分野の知識・情報が必要となるために,共同研究として実施することが望まれる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加藤 寛夫

国立水俣病研究センター

佐藤 文昭

北海道大学

清水 由起子

放射線影響研究所

鈴木 和幸

電気通信大学

三野 大来

順天堂大学

宮岡 悦良

東京理科大学

村上 征勝

統計数理研究所