平成162004)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

16−共研−1015

専門分類

7

研究課題名

疾病集積性検定法の開発とシミュレーションに基づく評価

フリガナ

代表者氏名

タカハシ クニヒコ

高橋 邦彦

ローマ字

Takahashi Kunihiko

所属機関

国立保健医療科学院

所属部局

技術評価部

職  名

研究員

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

医学や生物統計学などの分野では、近年、疾病集積性の問題が着目されて来ている。これは、市区町
村別の健康状況・疾病状況を比較検討する際に、ある疾病が特定の地域に集積しているかどうかを検
定・検出するための統計学的検定手法である。その中でも本研究では、集積地域の同定も行うCluster
detection test(CDT)について検討を行った。この疾病集積性の検定CDTにおいて、その簡便さや研究
者自らがアプリケーションソフトSaTScanをインターネット上で無料配布していることから、
Kulldorffの方法(1997)が世界的によく利用されているが、この方法では集積地域(クラスター)の
形状によってはうまく検出されない場合がある。そこで、本研究ではまず、Kulldorffの方法を改良す
る形で、新たな検定法 Flexible Scan 法を提案した。この方法は、特にKulldorffの方法で検出しづら
いクラスターの場合にもきちんと適応できる良い検定手法であることを、シミュレーションによって検
証することができた。また、この手法を実際に広く利用してもらえるよう、プログラムFleXScanを開
発し、インターネット上で無料配布を行った。さらに、これらの集積地域を同定する検定手法の評価に
ついて検討を行った。従来は、実際に同定された地域がどうなっているかを考慮しない一般的な検出力
が用いられているが、これでは不十分である。本研究では、実際の同定された地域を考慮した新たな評
価指標を提案し、これらの検定法の評価についてさらに検討を行っている。特に、シミュレーションに
よる大規模な検討が必要と考えられる。さらに、検定法についても、時間軸をいれたSpatial-Timeに
おける集積性検定法へ拡張を試みたい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・ Tango,T.and Takahashi,K.A flexible scan statistic for detecting arbitrarily shaped
clusters.Joint Statistical Meetings,Toronto,Canada,2004年8月8日。Abstracts p.14.
・ Takahashi,K.and Tango,T.How to evaluate tests for identifying spatial clusters.Joint
Statistical Meetings,Toronto,Canada,2004年8月8日。Abstracts p.14.
・ 高橋邦彦,丹後俊郎。平面領域同定の検定における評価指標。2004年度統計関連学会連合大会,
富士大学,2004年9月5日。講演報告集 p288-289。
・ 丹後俊郎,高橋邦彦,横山徹爾。疾病の集積地域同定のための新しい検定法。第15回日本疫学会
学術総会,ピアザ淡海,大津市,2005年1月21日。講演集 p180。
・ 横山徹爾,高橋邦彦,丹後俊郎。Flexible scan 法を用いた疾病集積地域同定ソフトウェアの開発
と応用例。第15回日本疫学会学術総会,ピアザ淡海,大津市,2005年1月21日。講演集 p181。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

丹後 俊郎

国立保健医療科学院

山岡 和枝

国立保健医療科学院