平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−42

専門分類

5

研究課題名

結晶の対称性の統計的分布と最密充填

フリガナ

代表者氏名

イトウ ヨシアキ

伊藤 栄明

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

結晶の対称性の統計的分布についてデータベースICSDをもちいて研究を行なう。最密充填の構造がゆがんで結晶の構造がえられたというモデルをたてる。問題とする結晶のもとの最密充填構造を推定すると言う問題を考える。元素の結晶構造について先ずこの問題を調べる。このことにより結晶構造の新しい分類法を試み統計的分布を説明する確率模型をより具体的なものにする。


(1)どの空間群が出現しやすいかについて統計的研究を行った。データベースICSDを用いて計算機により自動的に頻計度が得られるようにした。2種類の結晶の間に距離を定義し、ICSD内での順番にしたがい、種を逐次定義してゆく。n個の種がすでに定義されたとすればn+1個目の種はすでに定義されたn個の種よりd以上はなれていればn+1個目の種であると定義する。
得られた種について対称性の統計的分布を点群、空間群について整理した。ICSDが持っているキーワードにANX記号というものがある。これは、その化合物の分子式を元素の酸化数によっておおまかに表すものである。この分類ごとに出現頻度をもとめた。これは結晶の対称性のランダム生成モデルの研究を進めるうえでの基礎となるものである。
(2)結晶の対称性の統計的分布を議論する基礎として、楕円体の最密パッキングの問題をしらべた。最密充填系p3について最密充填密度をもとめた。長軸と短軸比と傾きをパラメタとし数式処理ソフトウェアREDUCEをおよび数値計算により楕円の最密充填密度を与えるのは長軸と短軸が等しい場合すなわち円の場合のみであること示した。この方法により解ける最密充填の問題の範囲がおおきくひろがった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

結晶の対称性についてランダム生成モデルについて研究を行ってきた。データベースICSDをもちいて統計的な研究を行なってきたが、それを更に進め、ICSDにある原子の位置のデータも活用し、最も近い最密充填構造はなにかを推定する方法をさぐる。このことは、従来から統計数理研究所でおこなわれている幾何学的構造についての統計的解析の新しい展開を与えるものとおもわれる。その意味で統計数理研究所の過去の蓄積を活用し、それを発展させるものである。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 一政

高エネルギー加速器研究機構

小川 泰

筑波大学

佐藤 俊輔

大阪大学

武田 弘

千葉工業大学付属研究所

種村 正美

統計数理研究所

松本  生

金沢大学

山本 昭二

無機材質研究所