平成302018)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

30−共研−4203

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

7

研究課題名

研究IRコミュニティの形成に向けてのURAと組織の動向に関する調査研究

重点テーマ

IRのための学術文献データ分析と統計的モデル研究の深化

フリガナ

代表者氏名

ヤマダ レイコ

山田 礼子

ローマ字

Yamada Reiko

所属機関

同志社大学

所属部局

社会学部

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

181千円

研究参加者数

3 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

全国の研究IRにかかわる担当者を対象に研究IRを進捗していくうえでの必要な能力形成要件,研究IRコミュニティを形成していくうえでの不可欠な活動,組織的条件等についての調査実施に向けての質問項目を作成し,実施した質問紙調査の分析を軸に,次に大学執行部の理事・副学長を対象に研究IR推進のための前提条件を明らかにするための組織動向質問紙調査を平成30年早々に実施し,平成29年度に実施したURA調査と関連付けて分析するという研究計画を立てた。若干、実際には視点を変えて、全国のURAを対象に、こうした研究IRの活動がどのような大学の研究力向上に貢献しているのかという視点で全国のURA組織を持つ大学にウェブ調査を実施した。日本における研究 IR を本調査では,研究 IR とは「掲載ジャーナルの質(質的指標)、論文数や被引用数(量的指標)の測定等を行い,機関としての研究力向上に資する活動」と定義した上で,研究 IR に携わっている職種である URA を対象にしたウェブ調査を通じて,研究 IR による研究成果の可視化が URA を活用している大学のどの層の大学に影響を与えているのかを検討した.?URA 整備事業は比較的大規模な大学(研究)に役立つ施策であったのかを検証することを目的として調査を設計し,ウェブ調査による実査,有効回答数 43(回答機関数 32).国立大学 22,公立大学 1,私立大学 8,その他 1,回答機関を 2017 年 10 月公表の科研費データから機関の採択件数で分類すると,250 件未満 10 件,
250 件以上 500 件未満 19 件,500 件以上 1000 件未満 8 件,1000 件以上 6 件であった.
 分析結果を以下に示す。IR の貢献と大学機関との関係の改善案の提示については,1 件あたり科研費採択金額少の大学で貢献が見られ,データ分析は採択件1 件当たり科研採択件数と採択金額平均の関係 数の少ない大学は積極的ではない傾向がある.採択件数の少ない大学は,データの提供に積極的ではない傾向が確認された.過去 10 年の改善度合いについて,研究者個人の業績評価の改善度合いについてみると,1件あたり採択金額の少ない大学ほど,過去 10 年で改善したと回答する傾向が高い.部局全体の業績評価は,採択件数のい大学ほど,過去 10 年に改善したと回答する傾向が見られた.科直近だけでなく,10 年間スパンで見ると,研究 IR は,1 件あたりの科研費採択金額の小さい大学に,改善効果を与えたのではないか.研究 IR が,主に大規模研究大学のものとしてのみ発展してきているわけではなく,1 件あたりの採択金額の小さい大学ほど改善効果がある,という特徴がある.研究 IR や URA 「措置効果」がどの層の大学にあらわれるかを,今後慎重に精査していく必要があると考えられる.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究発表
山田礼子・木村拓也,2018 日本高等教育学会,桜美林大学
「研究成果の可視化はどの層の大学に影響を与えたのか?〜日本における研究IR,URA,研究成果評価の誕生と推移〜


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

木村 拓也

九州大学