平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−90

専門分類

8

研究課題名

社会調査データについての構造解析と分類

フリガナ

代表者氏名

タカクラ セツコ

高倉 節子

ローマ字

所属機関

東京国際大学

所属部局

人間社会学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

従属変数による帰属群分類判別(或いは推定値の算出)を行う場合に、有効な説明要因を選び、その内部構造との関連を踏まえての分類(推定値算出)の方法を探求し、これを、住民意識調査、及び大学生の入学選抜に関する情報、等のデータに適用し、深層構造の解明と安定した予測方法を見いだすことを目的とする。


従属変数による対象個体の帰属群判別や推定値の算出は、通常、判別関数や重回帰分析(数量化1,2類)が用いられる事が多い。しかし、判別式や重回帰式の算出に用いる対象個体の集団についての変数の構造と、予測しようとする集団における構造とが異なる場合には、これらの方法の適用ではよい予測が得られない。
例えば、大学生の入学者選抜の際に重回帰予測を行うなどはこの例である。即ち、学内の成績が良いであろう学生の選抜方式として、説明変数に入試の成績及び高校内申(8教科)の成績を用い、重回帰式を算出すると、算出に用いる個体集団は、既に入試の成績で選抜された集団であるので、重回帰式では、入試の成績より高校内申の成績に強いウエイトがかかる事になり、これを受験者集団に適用すると、よい予測結果は得られない。
某短期大学におけるデータについて、説明変数に関しての主成分分析を行ってみると、受験者集団と入学者集団とでは、著しく異なる構造である事が明らかになり、数年次にわたってみると、これらの集団は、それぞれ年次による差異は殆どなく安定した構造である事が解った。
そこで、受験者集団についての主成分分析結果において入学者に関しての成績ランクを予測するにかなわしい方式(主成分回帰)を行ったところ安定した結果が得られ、良い予測値が得られる事が解った。なお、有効な説明変数の選択や変数間の交互作用についての考察に関しては、多元分割表による対数線型モデルの適用が有効であった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

高倉 節子,One Method of classification based on an analysis of the structural relationship between
independent variables,
International Federation of Classification Societies,1993年9月3日 予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

説明変数の内部構造を見るためには、主成分分析型手法(数量3類を含む)を用いるが、更に、従属変数への適合を目指して、多元分割表による対数線型モデル(AICの基準に基づく最適モデル)の適用や、正準相関分析の方法を試み、構造分析、有効要因の選別を踏まえた従属変数への適合の方法を探る。これにより、実際のデータについて、構造をより明らかにし、より安定した適切な予測の方法を探求していく。
このような方法の探求と社会調査データへの適切な適用の実施には、貴研究所・教官の協力が必要であり、この研究の成果は、実際の社会現象解析の方法の展開に有用であると考えられる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

鈴木 達三

帝京平成大学

福田 泰子

東京女学館短期大学