平成252013)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

25−共研−2040

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

社会調査法によるサイエンスコミュニケーション活動を通した研究職の能力開発に関する研究

フリガナ

代表者氏名

マエダ タダヒコ

前田 忠彦

ローマ字

Maeda Tadahiko

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

33千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本共同研究の目的は、科学コミュニケーション活動に参加する市民をひとつの社会的集団ととらえたうえで、研究機関における来場者調査をもとに、(1)日本人の国民性調査の結果との比較により来場者の特性を探究し、(2)科学コミュニケーションの場という具体的側面における来場者の展示見学行動の多様性を明らかにすることである。

今年度は、分子科学研究所との共同研究として実施した分子科学研究所における一般公開日(2012年10月実施)における来場者調査のデータをもとに、クロス集計表およびロジスティック回帰分析等を用いた統計的分析を行い、次の主な結果を得た。

(1) 成人の来場者の学歴の分布を確認したところ、日本国民一般のデモグラフィック属性と比較して、高学歴であることが分かった。
(2) 来場者の日本における科学・技術、芸術、経済に関する意識調査の結果を日本人の国民性調査(2008年度)と統計的に比較したところ、来場者は科学・技術に対しては好意的な意見を持つ人が多い傾向にあるものの、芸術および経済に関しては、違いはみられなかった。
(3) イベント当日の展示に対する選好度について属性による違いを検討したところ、性別や年齢による選好度の違いがあることが分かった。工学的な展示については、男性の選好度が高い。女性および未成年者は、参加型のワークショップを好む傾向がある。
(4) 電子的に測定した展示見学時間(入場から退場まで)の長さを学歴により比較したところ、高学歴の来場者はその他の来場者と比較して、見学時間が長い。

これらの結果をとりまとめ、共同研究の成果として行動計量学会第41回大会で口頭発表を行った。
今後はより精緻化した統計モデルをもとに分析を進め、論文として発表することを予定している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

加藤直子、前田忠彦「科学コミュニケーション活動を通した研究所来場者の展示見学行動分析」『日本行動計量学会題41回大会』2013年9月、(於東邦大学)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加藤 直子

岡山大学

平田 光司

総合研究大学院大学

柳井 毅

分子科学研究所