平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−82

専門分類

8

研究課題名

学術文献情報データベースの作成とそれを用いた研究論文間の関係構造分析に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ムラカミ マサカツ

村上 征勝

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究論文を主体とした学術文献情報間の関係構造を解析することによって,研究の形成の仕方や特質を明らかにする為の方法論を開発する。まず学術文献情報の中でどの様な情報が必要かを明らかにする為に,研究論文間では重要な情報の一つである引用情報を含む学術文献情報データベースを作成し,次に分析法を検討し,新しい手法の開発を行う。


学術文献情報間を関係構造の特徴を明確化する事で、学術文献集合から得られる概念情報、ないしは概念情報で構成される学術文献プロフィールの形成課程を明らかにするため、研究論文のタイトル、著者名、キーワード、参考(引用)文献などの情報関係を構造化するモデル化法とその解析法を開発しシステムの作成を行った。本システムを社会情報に適用する事を考慮すると、処理対象を研究論文を主体とした学術文献から、各種の調査・報告書、記録、会議録、白書、教書、史書等の文献に拡大する事が強要される。このような文献データベースに必要な機能と、社会情報データベースについて考察した。
学術文献データベースは書誌事項、本文テキスト、引用関係の主要部分から構成される。これは対象を拡大した文献データベースになってもそのまま仕様可能である。
社会情報データベースに就いては、情報源は文献情報データベースと報道、その他のメディアで、主要項目としては、政治、経済、軍事、科学、自然現象、その他一般社会現象等がある。データモデルとしては階層型モデルを用いた。しかしこれらの項目はお互いに複雑に関連し合っているのでネットワーク型モデルとして表現する事が適切である。また、ここの社会現象はこれらの主要項目との関連の度合いに強弱があり、ある事象を一つの項目に分類できないときは事象間の関係の強さを表現したリレーショナル型モデルとして扱うべきとの結論に達した。
事象の属性を考察してみると、who/誰、when/時、where/所、what/何等があるが、when/時一つとっても(1)事象が派生した時(2)その事象が報告されたとき(3)事象の内容に出現する時、というように情報の多重性が存在する。また同一の項目について複数のデータが出現する事もあるのでマルチオカレンスの可能性も考慮したデータベース設計をしなければならない。社会情報データベースは社会事象を解析する際に有用であると考えられると同時に、文献情報を解析する際にもその文献情報の内容分析に役立つ背景情報や知識の提供源として活用する事を考えると、今後これらの統合化が必要と思料される。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究の対象とする学術文献情報の収集とそれを蓄積,加工処理するためのデータベースの作成・改良を研究分担者である斉藤が行なう。このデータベースとして,既に北海道大学大型計算機センターのDBMSであるADABUS上に構築中であるANGELを機能強化し,CAD分野の幾何形状創成理論関連文献の情報を入力するとともに,引用関係,キーワード関係,著者関係といった文献間の関係情報を類似度行列の形式で出力するようにする。こうして得られた類似度行列をもとに,研究代表者の村上は,従来の分類手法を適用し分析する。分析結果を評価し従来の手法が適切でないと思慮された場合は,分担者の斉藤,久保と共同で新しい分析法を開発する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

久保 洋

室蘭工業大学

斉藤 龍亀

札幌学院大学