平成21（2009）年度　一般研究２実施報告書

課題番号	21−共研−2066		分野分類			統計数理研究所内分野分類			i
						主要研究分野分類			5
研究課題名	数値的最適化を基盤とした計算制御論の研究
フリガナ 代表者氏名	ノブヤマ　エイタク 延山　英沢				ローマ字		Nobuyama, Eitaku
所属機関	九州工業大学
所属部局	大学院情報工学研究院システム創成情報工学研究系
職　　名	教授
配分経費	研究費	0千円		旅　費		0千円		研究参加者数		6　人

研究目的と成果（経過）の概要

半正定値計画法（LMI最適化法）の発展に代表される数値最適化の発展は，制御系設計論に大きな影響を与え，制御系設計における新たな方法論を生み出す原動力となっている．このような状況下において，情報技術・計算パワーを駆使した制御系設計論を「計算制御論（Computational Control Theory）」として位置付け，新たな制御系設計論として開拓していくことを研究の目的とする．
本研究に関連したものとして，平成21年度にはつぎのような成果を得た．
1. 複数の制御目標を達成するためのコントローラを設計する問題である多目的制御問題に対して，実行可能領域外から繰返し計算により解を求めていくという外点法の考え方を導入し，半正定値計画法を繰返し用いて数値的解を求めるという方法を提案した．
2. 複数の制御入力結合のうちのどの一つの結合が切れた場合にも制御系の保全性を保つという問題に対して，保全性を保つためのフィードバックゲインが存在するための条件を導出し，存在した場合のフィードバックゲインの性質の一部を明らかにした．
3. 既存のフィードバック制御系に対して，外部から入れる目標値を制御目的に合わせて作成するという目標値整形法において，出力の過渡応答を指定した領域に入れるような目標値整形問題が半正値計画問題に帰着できることを示した．また，実際の数値シミュレーションによりその有効性を確認することができた．

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

1. Y. Kami, H. Tanaka and E. Nobuyama: An Exterior-point Approach to the Robust D-stability Control Problem, Proceedings of 48th IEEE Conference on Decision and Control and 28th Chinese Control Conference, pp. 2204/2209, 2009.
2. T. Terada, Y. Kami and E. Nobuyama: An exterior-point approach to the fixed-order mixed -stability controller design, the 7th International Conference on Control and Automation 2009, pp. 709/714, 2009.
3. Y. Kami K. Mitsui and E. Nobuyama: A successive method for designing an observer-based strictly positive real controller, The 7th Asian Control Conference, pp. 1172/1176, 2009.
4. T. Terada, Y. Kami and E. Nobuyama: A fixed-order D-stability controller design with an output feedback using a modified exterior-point approach, The 7th Asian Control Conference, pp. 1177/1181, 2009.
5. Y. Kami and E. Nobuyama: A New Exterior-point Approach to a Fixed-order Output Feedback Controller Design, IFAC Workshop on Control Applications of Optimisation 2009, 5pages, 2009.
6. Y. Ebihara and N. Sebe, Decentralized Control for Discrete-Time LTI Systems: Lower Bound Analysis of Achievable H-infinity Performance, 38th SICE Symposium on Control Theory, pp.303-310, Osaka, Sep.14-16, 2009.
7. 花咲，瀬部：1-out-of-m Integrity 問題におけるランク制約された状態フィードバックゲインについて，第 28 回計測自動制御学会九州支部学術講演会，pp.11-14，2009.
8. 三上，延山，上：出力の過渡応答拘束を満たすための目標値整形，第 28 回計測自動制御学会九州支部学術講演会，pp.31-32，2009.

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研究参加者一覧
氏名	所属機関
伊藤　博	九州工業大学
古賀　雅伸	九州工業大学
佐藤　和也	佐賀大学
瀬部　昇	九州工業大学
土谷　隆	統計数理研究所