平成28（2016）年度　共同研究集会実施報告書

課題番号	28−共研−5015		分野分類			統計数理研究所内分野分類			j
						主要研究分野分類			8
研究課題名	統計学的手法を用いた環境及び生体化学調査の高度化に関する研究集会
フリガナ 代表者氏名	ハシモト シュンジ 橋本 俊次				ローマ字		Hashimoto Shunji
所属機関	国立環境研究所
所属部局	環境計測研究センター
職　　名	室長
配分経費	研究費	40千円		旅　費		710千円		研究参加者数		49　人

研究目的と成果（経過）の概要

　PCBを含む残留性有機化合物（POPs）やその他の有害化学物質の汚染経路の解明と汚染原の究明および、化学物質の組成情報を活用した環境動態の解明や環境汚染物質の発生源及び環境データの収集と共有化、統計学的手法を用いた信頼できる発生源解析法の開発、調査計画、試料採取、モニタリング、分析操作、データ処理の各工程において測定値に影響を及ぼす要因を統計的に理解し、測定精度の向上と信頼のおける調査方法の確立のための研究を分担実施し、その報告と情報交換、新たな研究課題の模索を目的とし、以下のとおり研究報告会を開催し、研究の報告と情報交換を行った。
集会名：「統計学的手法を用いた環境及び生体化学調査の高度化に関する研究」研究報告会
日時： 平成28年12月19日（月）、20日（火）
場所： 統計数理研究所
研究報告：
（１）「LC/MSにおけるマトリックス効果抑制への計量化学的アプローチ」浅川大地（大阪市立環境科学研究所）
（２）「広島県の化学物質関係の取り組み」木村淳子（広島県立総合技術研究所保健環境センター）
（３）「非負値行列因子分解の環境化学分野への適用について」大塚宜寿（埼玉県環境科学国際センター）
（４）「降水によって水環境に移行しうる燃焼由来ダイオキシン類」蓑毛康太郎（埼玉県環境科学国際センター）
（５）「環境汚染物質Cl-PAHの粒径別濃度分布とCl-Pyreneの代謝挙動について」柿本健作（大阪府立公衆衛生研究所）
（６）「JICAセルビアプロジェクトとPOPs分析」中野 武 （大阪大学）
（７）「宍道湖・東京湾底質等のダイオキシン類起源推定　〜CMBv2.1及びなでしこ解析ツール使った公開データ発生源寄与率推定の紹介〜」村瀬秀也（環境管理技術センター）
（７）「河川水中の異臭物質の同定について」松谷 亮 （新潟県保健環境科学研究所）
（８）「最近の LC-QTOF の定量性能と物質同定能をチェック」山本敦史（公立鳥取環境大学）
（９）「データ解析のためのベイズ的方法の開発とその応用」柏木宣久（統計数理研究所）

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

＜誌上発表＞
1. Choi, P., Kamijo, A., Nunotani, N., Nakano, T., Imanaka, N., (2016) Catalytic Liquid-phase Oxidation of Bisphenol-A , Chemistry Letters, DOI: 10.1246/cl.161011
2. Vladimir P. B., Katsuya Y.,... Takeshi N., Hideyuki I. (2016) Distribution of perfluoroalkyl compounds in Osaka Bay and coastal waters of Western Japan, Chemosphere , DOI: 10.1016/j.chemosphere.2016.12.028
3. Wu, , J. Zhou, Y. Pan, J. Zhang, L. Zhang, N. Ohtsuka, M. Motegi, S. Yonemochi, K. Oh,Waste G. Qian (2016) Dioxin distribution characteristics and health risk assessment in different size particles of fly ash from MSWIs in China Management, Vol.50, 113-120
4. 蓑毛康太郎、野尻喜好、茂木守、大塚宜寿、堀井勇一 (2016) 埼玉県の大気中Dechlorane Plusおよび類縁化合物, 環境化学、Vol.26、No.2、53-59
5. Hosono, N., Ohtsuka, K. Minomo, K. Nojiri, M. Sugisaki, K. Kohata, K. Kawamura3), Q. Wang (2016) Characteristic congener profiles of polychlorinated terphenyls (PCTs) in sediments from Furuayase River, Japan, Journal of Water and Environment Technology, Vol.14, No.4, 218-211;227
6. Ohura, T., Y. Kamiya, F. Ikemori: Local and seasonal variations in concentrations of chlorinated polycyclic aromatic hydrocarbons associated with particles in a Japanese megacity. J. Hazard. Mater., 312, 254-261 (2016)
7. Ohura, T., M. Miwa: Photochlorination of polycyclic aromatic hydrocarbons in acidic brine solution. Bull. Environ. Contam. Toxicol., 96, 524-529 (2016)
8. Konishi Y., Kakimoto K., Trends of Dioxin, PCB, and Other Persistent Organohalogen Compound Concentrations in Human Breast Milk from 1972 to 2008 in Osaka, Japan. American Chemical Society (ACS Books) ,127-155 (2016). DOI: 10.1021/bk-2016-1244.ch006.
9. Kakimoto K, Nagayoshi H, Konishi Y, Kajimura K, Ohura T, Nakano T, Hata M, Furuuchi M, Tang N, Hayakawa K, Toriba A., Size distribution of chlorinated polycyclic aromatic hydrocarbons in atmospheric particles Archives of Environmental Contamination and Toxicology, 72, 58-64 (2017). DOI: 10.1007/s00244-016-0327-z.
10. 柿本健作，東條俊樹 ，先山孝則 ，永吉晴奈 ，小西良昌 ，梶村計志 ，中野 武 ，畑光彦 ，古内正美 ，唐寧 ，早川和一 ，鳥羽 陽，塩素系難燃剤デクロラン類の大気粉塵粒径分布の解明, 環境化学，26, 89-93 (2016)
11. Ichihara M., Yamamoto, A., Kakutani, N., Sudo, M., and Takakura K., (2017) A Bayesian approach for estimating hexabromocyclododecane (HBCD) diastereomer compositions in water using data below limit of quantification Environmental Science and Pollution Research 24(3), 2667-2674, DOI: 10.1007/s11356-016-7990-5
12. 先山孝則, 中野武 (2016) 我が国の塩素系難燃剤Dechlorane Plusによる汚染レベルについて，環境化学, 26(2), 77-88
13. 松本幸一郎, 梶 史生, 小田嶋優子, 鹿島勇治, 先山孝則, 中野武 (2016) 環境大気中デクロランプラスの高分解能MS（EIモード）及び低分解能MS（NCIモード）による分析方法の検討，環境化学, 2(2), 95-102
14. 柿本健作, 東條俊樹, 先山孝則, 永吉晴奈, 小西良昌, 梶村計志, 中野武, 畑光彦, 古内正美, 唐寧, 早川和一, 鳥羽陽 (2016) 塩素系難燃剤デクロラン類の大気粉塵粒径分布の解明，環境化学, 26(2), 89-93 (2016)

＜口頭発表＞
1. 柿本健作, 阿久津和彦，永吉晴奈，小西良昌，梶村計志，机直美，吉野智生，松本文雄，唐寧，早川和一，鳥羽 陽 (2016) 北海道に生息するタンチョウに蓄積する有機ハロゲン化学物質，第25回環境化学討論会（新潟；2016年）
2. Konishi Y., Uchidai K., Harada K., Thinh Duc Nguyen, Phuc Do Nguyen, Yamamoto Y.,(2016) Monitoring of PCBs in aquaculture freshwater fish in Ho Chi Minh City, Vietnam.The 9th International PCB Workshop (Kobe: 2016).
3. Kakimoto K., Akutsu K., Nagayoshi H., Konishi Y., Kajimura K., Tsukue N., Yoshino T., Matsumoto F., Tang N., Hayakawa K., Toriba A., (2016) Organic halogen compounds in red-crowned cranes lived in Hokkaido, Japan. The 9th International PCB Workshop (Kobe, 2016)
4. Nagayoshi H., Kakimoto K., Konishi Y., Nakano T., (2016) Enantioselective metabolism of PCB 95 and 183 by human metabolic enzymes. The 9th International PCB Workshop (Kobe: 2016).
5. 浅川大地、奥勇一郎 (2016) 1時間値から見た森林火災由来レボグルコサンの動態，第33回エアロゾル科学・技術研究討論会、2016/8/31-9/2、堺市
6. 浅川大地 (2016) PM2.5から抽出した腐植様物質と多環芳香族炭化水素類との相互作用，第33回エアロゾル科学・技術研究討論会、2016/8/31-9/2、堺市
7. Asakawa, D., (2016) Interaction of Atmospheric Humic-Like Substances with Polycyclic Aromatic Hydrocarbons: An Aerosol Chamber Study. 18th Meeting of the International Humic Substances Society, 2016/9/11-9/16, Kanazawa
8. 永洞真一郎　姉崎克典 (2016) 降雪中のダイオキシン類濃度とその起源について（第2報）（地独）道総研　環境科学研究センター，第25回環境化学討論会（新潟市）
9. 山崎正夫、野澤亜紀、森育子、清水一志 (2016) 東京湾北西域の環境基準点 St.35 における底質の堆積速度とダイオキシン類の鉛直分布，水環境学会誌, vol.39, No.6, pp.225-232
10. 赤石 智美，村山 等，松谷 亮，高橋 司，旗本 尚樹 (2016) 環境水中の臭気物質の同定と定量方法，第25 回環境化学討論会（新潟市）

研究参加者一覧
氏名	所属機関
浅川 大地	大阪市立環境科学研究所
姉崎 克典	地方独立行政法人北海道立総合研究機構環境・地質研究本部環境科学研究センター
石川 文子	宮城県保健環境センター
市原 真紀子	大阪市立環境科学研究所
井原 紗弥香	広島県立総合技術研究所保健環境センター
茨木 剛	新潟県
岩切 良次	環境省 環境調査研修所
岩村 幸美	環境省
宇野 映介	福岡市保健環境研究所
大浦 健	名城大学
大塚 宜寿	埼玉県環境科学国際センター
大原 俊彦	広島県立総合技術研究所保健環境センター
柿本 健作	大阪府立公衆衛生研究所
柏木 宣久	統計数理研究所
金藤 浩司	統計数理研究所
木村 淳子	広島県立総合技術研究所 保健環境センター
鴻巣 祐也	新潟県保健環境科学研究所
小西 良昌	大阪府立公衆衛生研究所
酒井 美月	長野工業高等専門学校
先山 孝則	大阪市立環境科学研究所
櫻井 健郎	国立環境研究所
佐々木 裕子	独立行政法人 国立環境研究所
清水 明	千葉県環境研究センター
高橋 司	一般財団法人日本環境衛生センター アジア大気汚染研究センター
高橋 みや子	新潟県保健環境科学研究所
高村 範亮	福岡市保健環境研究所
竹峰 秀祐	環境省
飛石 和大	福岡県保健環境研究所
中野 武	大阪大学
永洞 真一郎	地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 環境・地質研究本部 環境科学研究センター
中村 朋之	宮城県
永吉 晴奈	大阪府立公衆衛生研究所
新田 千穂	福岡市保健環境研究所
濱脇 亮次	広島県立総合技術研究所保健環境センター
半野 勝正	千葉県環境研究センター
菱沼 早樹子	宮城県大崎広域水道事務所
平川 周作	福岡県保健環境研究所
堀井 勇一	埼玉県環境科学国際センター
槇本 佳泰	広島県立総合技術研究所 保健環境センター
松尾 友香	福岡市保健環境研究所
松谷 亮	新潟県保健環境科学研究所
蓑毛 康太郎	埼玉県環境科学国際センター
宮脇崇	福岡県保健環境研究所
村瀬 秀也	一般財団法人 岐阜県公衆衛生検査センター
村山 等	新潟県保健環境科学研究所
山崎 正夫	（財）東京都環境整備公社東京都環境科学研究所
山下 紗矢香	福岡市保健環境研究所
山本 敦史	公立鳥取環境大学