昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−58

専門分類

5

研究課題名

統計的決定理論を用いた安全監視システムの設計法

フリガナ

代表者氏名

ムラカミ マサカツ

村上 征勝

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

原子力プラント,化学プラント,地下街,ホテルなどにおける安全監視システムの設計は非常に重要な問題であり,すでにいくつかの研究が報告されているが,いずれもプラントの状態に関する事前の情報を必要としている。
本研究ではプラントの状態に関する事前確率が不明な場合に適用できる。統計的決定理論を用いた新しい設計法を提案する。


スペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故,熱川温泉のホテル火災等の大きな被害を招いた事故においては必ず安全監視システムの信頼性が問題となる。安全性をあまりにも重視しすぎると冗長な設計となり,経費や装置の大きさ・重量等の面から実現が困難となる。このため,安全性および経済性等を考慮した現実に即した設計法が要求されている。本研究の目的は,統計的決定理論を用いて安全性・経済性の両面を考慮した安全監視システムの設計法を開発することにあるが,研究期間が短いため,まず共同研究者と手紙・電話等で相談の上,研究範囲を安全監視システムを何個のセンサーで構成するのが最適であるかを求める問題に絞ることとした。共同研究者にはそれぞれ一度ずつ来所してもらい,工学および統計学の観点から共同研究をおこない次のような成果を得た。
1.安全監視システムを構成するセンサーの個数の決定に関しこれまで提案されたいくつかの研究を統計的決定理論の観点から整理した。
2.センサー数を決定する際に,これまでの研究がいずれも監視対象となるシステムにおける異常発生の事前確率を必要としているのに対し,異常発生の事前確率が不明の場合のセンサー数の決定法を提案した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

発表 ・統計的決定理論を用いた安全監視システムの一設計法
昭和60年度統計数理研究所研究発表会(1986年3月26日)
日本統計学会第54回大会(1986年7月)にて発表予定


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

安全監視システムの設計において,システムの不作動故障(欠報)と誤作動故障(誤報)により生じる期待損失を最小にするような設計法に関する研究はいくつか報告されているが,いずれも統計的決定理論に関するこれまでの研究成果を利用していないために,設計論理がわかりにくく,複雑なシステムの設計を困難としている。
そこで本研究ではこれまで提案された設計法を統計的決定する論の観点から整理し,設計論理を単純明解なものとした上で,プラントの状態に関する事前確率が不明の場合に適用できる新しい設計法を提案する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

久保 洋

室蘭工業大学

山元 周行