平成122000)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

12−共研−2029

専門分類

7

研究課題名

類洞の立体構造に影響を及ぼす肝細胞の面の数―その統計的解析

フリガナ

代表者氏名

タネムラ マサハル

種村 正美

ローマ字

Tanemura, Masaharu

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多面体であるヒトの肝細胞と肝癌細胞について、個々の細胞の面数の分布・類洞(微小血管網)に
接する面数を求め、その結果をもとにシミューレーション実験を行い、類洞の立体構造の差を生じ
させているメカニズムを解明することを目的として研究中である。
 本年度は、ヒト(64歳男、HCV(+))の肝硬変組織をホルマリンに固定後、ビブラトームで約70
μmの厚さに薄切りして、共同研究経費で購入した Rhodamine で標識した Pharoidin(Molecular
Probes Inc.)で反応させ、レーザー共焦点顕微鏡で観察して、120枚の連続断面画像を作成した。
 これらの連続断面画像を Adobe Photoshop を用いて印刷ののち、細胞全体が含まれている肝細胞を
見つけだして、各断面における辺数を求めた。その結果、肝硬変における肝細胞一個あたり及び正常肝
における肝細胞一個あたりの面数の平均値に有意な差はなかった。一方、肝細胞一個の平均体積は肝硬変
では正常肝よりも大きかった。これらから、両群間における類洞の立体構造の差が現れているのは
肝硬変では個々の肝細胞が大きくなっているためと考えられる(詳細は添付資料を参照)。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文:
清水英男・末吉徳芳・種村正美「肝硬変の類洞網はなぜ粗いのか?」、形の科学会誌第15巻
 第3号,pp.202-203。
高木隆司・奈良昌則・清水英男「3D灰色画像からのベッチ数評価」、形の科学会誌第15巻
 第3号,pp.196-197。
学会発表:
清水英男・末吉徳芳・種村正美「肝硬変の類洞網はなぜ粗いのか?」、第50回形の科学シンポ
ジウム,2001年3月17日、中央大学理工(東京)。
高木隆司・奈良昌則・清水英男「3D灰色画像からのベッチ数評価」、第50回形の科学シンポ
ジウム,2001年3月17日、中央大学理工(東京)。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

清水 英男

湘南鎌倉総合病院

末吉 徳芳

順天堂大学