平成252013)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

25−共研−2006

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

標高勾配上の自然集団に含まれる遺伝変異の空間分布モデリング

フリガナ

代表者氏名

ヒラオ アキラ

平尾 章

ローマ字

Hirao Akira

所属機関

筑波大学

所属部局

菅平高原実験センター

職  名

研究員

配分経費

研究費

40千円

旅 費

103千円

研究参加者数

6 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

標高勾配は、緯度勾配に比べると短い空間スケールの中で環境が激変することに加えて,複数の山域の調査によって反復が容易に得られることから,生物の適応進化の研究フィールドとして古くから活用されてきた.たとえば、シロイヌナズナ属野生種であるミヤマハタザオ(Arabidopsis kamchatica subsp. kamchatica)は,標高30mから3000mまで分布するが,広範な形質が遺伝的に分化していることが明らかになっている.しかしゲノム全体から個々の遺伝子の挙動を見ると、分化の見られないものや曖昧なものなどが多く含まれると予想されるため,自然集団に含まれる遺伝変異の空間パターンを明示的に表現できるモデリング手法を開発して,遺伝子の中立または適応的挙動を判別することが課題となっている.このようなモデル開発のため,既存の階層構造モデル(Excoffier et al. 2009)などの課題を整理し,現実の野外集団を対象としてゲノムワイドな遺伝変異データを空間明示的に解析するための課題について整理・検討を行った.加えて,顕著な遺伝分化を示す機能遺伝子の空間分布パターンを詳細に解析した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

平尾章・恩田義彦・清水(稲継)理恵・ 瀬々潤・清水健太郎・田中健太.標高万能植物ミヤマハタザオのトライコームおよび光受容体の適応分化.2013年日本地球惑星連合 セッション「中部山岳地域の自然環境変動」千葉市(2013 年5 月22日).

平尾章・恩田義彦・清水(稲継)理恵・ 瀬々潤・清水健太郎・田中健太.標高傾度に沿ったミヤマハタザオの適応機構:生態から遺伝子へのアプローチ.日本進化学会第15回大会 つくば市(2013年8月30日)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会は開催しなかった。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

荒木希和子

京都大学

島谷 健一郎

統計数理研究所

下野 嘉子

京都大学

田中 健太

筑波大学

森長 真一

東京大学