昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−41

専門分類

6

研究課題名

全球気象資料を用いた大気の長周期現象の統計的解析とその予測

フリガナ

代表者氏名

サカイ シゲノリ

酒井 重典

ローマ字

所属機関

気象庁

所属部局

予報部

職  名

予報官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

19 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

最近の異常天候の頻発は各種産業や社会活動にしばしば多大の影響を与えており,このため長期予報の精度向上に対する社会の要請は増大する一方である。これに対処するため,気象現象の時空間・多変量・非定常時系列データを用いて,大気の長周期変動部分の有効な信号を取り出す手法の開発と長周期現象の統計的分類により長期天気予報にとって重要な長周期変動の実態の把握を行なう。


時系列データを用いて,日本の気温・降水量の地域分布を予測するためには,
1.日本付近の(大気の中層に当たる500mb面での)気圧配置を予想し,その予想気圧配置を気温・降水量分布に翻訳する方法
2.直接的に気温・降水量分布を予測する方法の2つがある。
今年度は1を実行するために,TIMSAC−78中のMULMARを用いて,基礎的なスペクトル解析を行った。主な結果は以下のとおり。
(1)資料:原資料は5日平均した北半球(20゜N以北)の緯度・経度10度ごとの格子上(全252個)での500mb高度(平年からの偏差値)の時系列。但し,自由度を減らすために,格子点を平均して36個の領域平均に作り替えた。この領域は5日平均図の目視により決定した。
(2)解析結果:上記の36領域各々での高度偏差のスペクトルは,大きさが低周波から高周波に向かって次第に減少していくレッドノイズである事が分かった。
日本付近の領域にたいする他の領域からのノイズ寄与率によると,低周波領域では日本の南方,中国大陸等からの寄与が大きいという興味深い結果が得られた。
(3)検討:今年度は高度の資料のみを用いたが,最近の研究では,海面水温が大気の長周期変動の一部に寄与している事が解明されつつある。高度のみでは無く,海面水温も用いた解析の必要がある。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

最近の異常天候の頻発は各種産業や社会活動にしばしば多大の影響を与えており,このため長期予報の精度向上に対する社会の要請は増大する一方である。これに対処するため,気象現象の時空間・多変量・非定常時系列データを用いて,大気の長周期変動部分の有効な信号を取り出す手法の開発と長周期現象の統計的分類により長期天気予報にとって重要な長周期変動の実態の把握を行なう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

赤池 弘次

統計数理研究所

荒畑 恵美子

統計数理研究所

石黒 真木夫

統計数理研究所

岡崎 卓

統計数理研究所

尾形 良彦

統計数理研究所

尾崎 統

統計数理研究所

鎌倉 稔成

中央大学

北川 源四郎

統計数理研究所

坂元 慶行

統計数理研究所

住 明正

東京大学

田中 康夫

気象庁

田辺 國士

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

土谷 隆

統計数理研究所

福谷 博

気象庁

宮崎 保彦

気象庁

山田 真吾

気象庁

渡辺 典昭

気象庁