平成222010)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

22−共研−4105

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

8

研究課題名

統計学の入試問題策定に関する研究 〜諸外国事例をもとに〜

重点テーマ

統計教育の新展開

フリガナ

代表者氏名

サクライ ナオコ

櫻井 尚子

ローマ字

Naoko Sakurai

所属機関

東京情報大学

所属部局

総合情報学部 環境情報学科

職  名

教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

学習指導要領が改訂され,統計教育に変化が訪れている.平成21年度には小学校,中学校において新学習指導要領のもと,先行実施を含む新しい統計教育がすでに開始されている.高等学校では平成24年度生から,「数学I」に「データの分析」が含まれることが明示され,統計教育の内容が高等学校での必修科目とされる.これらを受けて,段階的に影響を受ける教科書や入試問題の領域では対策が急務である.また,社会現場から寄せられる統計学への需要の高まりに沿って,教育現場でのさまざまな変容が予想される.
 本研究が研究の主対象の一つに据えるアメリカでは, APプログラム(Advanced Placement Program)を全米で展開している.高校時代に大学初年度レベルの授業を受け,高校生は大学入試および入学後の教科単位取得を目指して,学年末(5月)の通称APテスト(AP Exams) と呼ばれる一斉ペイパー試験を受験する仕組みである.APもしくはIB(International Baccalaureate)受験については,米国だけではなく,全世界にその有用性が認識されている.これらの現状を踏まえ,他の諸外国の事情との比較,および国内での試験問題内容の詳細調査を実施しながら,日本における統計学の入試問題作成への情報を収集・分析するのが本研究の主たる目的である.
 上記目的のもと,入試での実施事例が少ない国内の状況を考える上で,国内では先行している資格試験に着目し,複数の試験の内容を詳細に調査した.調査対象は,医師国家試験,教員採用試験,情報処理技術者試験,中小企業診断士,アクチュアリー,SPI等の各種適性試験および2011年にスタートする予定の統計検定である.一方,海外では先に詳説したAP Statistics やIB をはじめとする試験問題,資格試験として定着しているアクチュアリーの資格試験問題の中から選抜して問題内容の調査を行った.これらの研究成果が,将来の日本の入試問題作成時の情報源の一つになれば幸いである.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文発表
櫻井,和泉,深澤 (2011) 国内外で実施された統計学に関する各種試験問題の考察. 統計数理研究所共同研究リポート260「統計教育実践研究」,第3巻,pp.59-64.


学会発表
櫻井,和泉,深澤:「国内外で実施された統計学に関する各種試験問題の考察」,
第 7 回 統計教育の方法論ワークショップ,2011 年 3 月 4 - 5日,於立教大学.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究打合せ会合
1. 平成23年1月13日17:00〜21:00,3月ワークショップ発表内容について,東京都江東区,3名
2. 平成23年1月14日10:00〜12:00,今後の研究の発展見通しと次年度への継続について,東京都江東区,3名
3. 平成23年3月4日12:00〜13:00,23年度の研究内容確認と学会発表・論文発表のスケジューリング,立教大学,3名

なお,研究成果発表の場としての第 7 回 統計教育の方法論ワークショップ(平成23年 3 月 4 - 5日,立教大学,参加者数:250名)の開催に協力した.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

和泉 志津恵

大分大学

田村 義保

統計数理研究所

深澤 弘美

東京医療保健大学