平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−68

専門分類

7

研究課題名

口唇裂口蓋裂患者の歯科矯正治療による顎顔面の成長パタンの統計学的研究

フリガナ

代表者氏名

オオツカ スミマサ

大塚 純正

ローマ字

所属機関

昭和大学

所属部局

歯学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

唇裂口蓋裂患者の咬合異常に対す歯科矯正治療は、早期治療、長期管理が必要とされているが、成長期に於ける上下の顎関係の改善を目的とした顎矯正治療を行っても、最終的に外科手術が必要となるものが少なくない。従って、低年齢の時に最終的な顎顔面の大予測が可能であれば極めて効率的な治療を行うことが出来ると考えられる。そこで、成長期にある患者の成長パタンから将来の外科的処置の要不用の判定の可能性について統計学的手法を用いて検討することにした。


唇裂口蓋裂患者の咬合異常に対する歯科矯正治療は、早期治療と長期管理を必要とするが、成長期(思春期)に上下顎関係が悪化し、最終的に外科手術が必要となるものが少なくない。仮に早期の段階で将来の成長予測が可能であれば、長期にわたる顎矯正治療の省略化が可能となり患者や術者の負担を軽減できる。
そこで、今回、片側性唇顎口蓋裂患者で、初診時(混合歯列前期)に反対咬合を有し咬合状態が同等と判断されたものについて、外科手術を併用したもの(OPE群)と矯正治療単独で終了できたもの(Non-OPE群)の2群に分け、これらの成長変化について以下の研究を行った。
【資料と方法】片側性唇顎口蓋裂患者(男子):OPE群20名、Non-OPE群17名の頭部エックス線規格写真、手腕骨エックス線ならびに口腔模型を原資料とし、これらの学童期における経年的データを用いて両群の顎顔面の成長変化について統計的データ解析(判別手法の応用)を行った。
【結果】 1.上顎骨の成長は両群で差がなく、ほとんど垂直方向の成長を示した。 2.下顎骨の成長では、Non-OPE群はOPE群より有意に後下方の成長を示した。 3.OPE群の下顎骨に顎角部開大の形態的特徴があり、両群の差は治療前(就学時)より判別できることがわかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Sumimasa OHTSUKA,Nopawun SUPAKALIN,Yasushi HASHIZUME,Fumiye OHMORI,Hiroyuki
TAKIZAWA,Noboru OHSUMI,Yoshinobu SHIBASAKI:Prediction for surgical treatment
in a CLP individual at an early growth stage.Thailand International Orthodontic
Congress.December 16-18,1994.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究は以下の手順にて遂行する。1)成人片側性唇顎口蓋裂患者の矯正治療単独治癒症例と外科矯正術併用症例の選択。2)資料としては、側方頭部X線規格写真(セファログラム)、手腕骨X線写真並びに身長計測値。3)上記資料を突合し、顎顔面の成長との関連性を検討する。4)成長パタンを基準にして、外科手術を必要とするものと、必要でないものとを判定する。*本研究には、貴研究所、教官との協力が必要で、研究成果は歯科矯正臨床に十分寄与するものと考えられる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

今村 一信

昭和大学

大隅 昇

統計数理研究所

柴崎 好伸

昭和大学

橋爪 康

昭和大学