平成212009)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

21−共研−4208

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

6

研究課題名

社会人基礎力を踏まえた高等教育機関における統計教育

重点テーマ

統計教育の新展開

フリガナ

代表者氏名

タケウチ アキノブ

竹内 光悦

ローマ字

Takeuchi Akinobu

所属機関

実践女子大学

所属部局

人間社会学部

職  名

准教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

平成 20 年 3 月に文部科学省は小学校・中学校における新学習指導要領を発表した.これによると小学校 1 年から中学校 3 年まで何らかの形で統計に関係する項目が各学年で導入され,これまでと比較して,より基礎的な統計学の知識を持った学生が高等学校,大学に進学する可能性が高くなった.また高等学校でも今後,統計教育に関する内容が含まれることが予想され,ますます大学における統計教育の内容の変更が求められることが予想される.
日本では現在,大学などの高等教育機関では,統計数理研究所など一部の大学院大学を除き,統計関連の学部学科はなく,大学における統計教育の方向性はいまだ確立しているとは言えず,個々の大学においてその学部での研究に必要な内容のみを扱った,ある種,偏った授業が行われていることも少なくはない.海外では,統計に関する学部学科があるため,そこのカリキュラムを参照することで,統計教育の内容の方針を観ることも可能であるが,現状の日本の状況を見る限り,社会人基礎力となる最低限のコアカリキュラムの検討はあまり取り扱われていない.
これらのことから,本研究では,新学習指導要領を踏まえながら,大学などの高等機関における統計教育の内容を検討する.特に重点テーマに掲げている「統計的思考力の育成を意図した新しい枠組みでの教育内容の検討や方法論の研究」を大学における教授法や教材開発の方法として,海外での統計関連学部のカリキュラムも参考に比較検証を行う.
本年度では,文系女子大学の状況を踏まえながら,大学教育への統計教育の導入のモデルを構築した.具体的にはこれまでに実施した海外における統計教育実態調査の結果や大学ウェブシラバス調査,企業における需要度調査の結果を踏まえて,大学における統計教育の検討,加えて実践女子大学,鹿児島純心短期大学における一連の科目の導入を検討し,その内容や展開を議論した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[1] 竹内光悦(2010)社会人基礎力を踏まえた女子文系高等教育機関における統計教育,第 6 回統計教育の方法論ワークショップ 社会の期待にこたえる統計教育の構築?「資料の活用」から「データの分析」をどう教えるのか?,39-40.

[2] 竹内光悦(2009)データ分析に関する授業における二次データの活用,2009 年度数学教育学会秋季例会発表論文集,131-133.

[3] 竹内光悦(2009)高等学校数学で必修化される統計教育の内容,2009 年度統計関連学会連合大会講演報告集,77.

[4] 竹内光悦・松下慶太(2009)USB ポートフォリオを利用した学習・キャリア育成支援,2009 PC Conference 論文集,143-144.

[5] 竹内光悦(2009)新学習指導要領にみる教育利用データやソフトを用いた問題解決力の育成,日本行動計量学会第 37 回大会発表論文抄録集,158-159.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究グループのみでの研究会は実施していないが,本研究内容は,日本統計学会統計教育委員会や数学教育学会 学会特別 SG 等で研究報告・紹介を行った.また重点テーマの一つとして統計教育の方法論ワークショップに参加し,結果報告を行った.このワークショップでは,2010 年 3 月 5 日?6日,成蹊大学(東京都武蔵野市)にて行われた.およそ 100 人を超える参加者が来られた.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

江口 真透

統計数理研究所

上村 尚史

鹿児島純心女子短期大学

末永 勝征

鹿児島純心女子短期大学