平成242012)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

24−共研−1028

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

欠測がある場合の一対比較データのモデリング

フリガナ

代表者氏名

クリキ サトシ

栗木 哲

ローマ字

Kuriki Satoshi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

(i) 一対比較モデルを対数線形モデルの枠組みで定式化する方法について検討した.これは Bradley-Terry モデルを対数線形モデルで定式化した Fienberg & Larntz (1976, Biometrika) の一般化と位置づけられる.

(ii) 栗木 (1993,応用統計学) では,一対比較における3すくみの多重検定を,歪対称ランダム行列の最大特異値の分布を用いて構成した.欠測がある場合は,歪対称行列の対応する成分を0とおいた行列の最大特異値の分布がわかればよい.2つの行列のアダマール積の最大特異値に関する R. Matias (1997) の不等式を用いて,最大特異値分布を上から抑える方法について検討した.

(iii) 対比較データは辺に値をもつグラフとして表現できる.ここで全個体が2つのグループに分けられ,対比較は異なるグループに属する個体間同士のみで行われる状況を考える.そのときグラフは2部グラフとなる.2部グラフは,次数3の完全部分グラフを部分グラフとしてもたないため,Jiang, Lim & Yao の意味での局所的な3すくみが存在しない.Jiang, Lim & Yao の分解は2元配置における主効果,交互作用の分解,という古典的なものに帰着する.しかしながら,このモデルにおいては4すくみは意味のある量であり,また局所的な4すくみと大域的な4すくみの両方を考えることができる.この両者を自然な方法で分解する方法を検討している.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

該当なし.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

該当なし.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

坂田 年男

九州大学

ルー シャオレイ

Northeast Normal University